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東京五輪マラソンの札幌変更をIOCから提案されても東京開催を言い張る人々 招致でも「アスリートに理想的な気候」と大嘘

 オリンピック招致の際につくられた「立候補ファイル(日本語版)」のなかにある「2020年東京大会の理想的な日程」という項目にはこのように記されている。

〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉

 ここ数日の東京は、最高気温35℃前後を推移し、最低気温も25℃を下回らない熱帯夜が続いている。年によって多少の差はあるにせよ、こうした猛暑は今年の夏だけに限ったことではない。これを〈温暖〉と言い切るのはどう考えても無理があるだろう。〈アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候〉というのも噴飯ものだ。どう考えても〈最高の状態〉になどならないだろう。

 このオリンピックの招致にはとにかく嘘が多い。2013年、ブエノスアイレスで行われたIOC 総会の最終プレゼンで福島原発事故問題について安倍首相が放った「アンダー・コントロール」なる言葉がその象徴なわけだが、こんなところまで嘘で塗り固められていたというわけだ。

 そして、この嘘は現在指摘されているような問題が起きると認識したうえで吐かれた確信犯だった。

 キャスターの久米宏氏はかねてより東京オリンピックの招致や開催に否定的な意見を語っている。その理由のひとつに、暑い夏での開催がアスリートの健康を無視しているという理由があるわけだが、各所で批判を繰り返している久米氏のもとに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から一通の手紙が届いたという。

 その手紙には、酷暑となる夏の東京での開催を否定する久米氏への反論が記されていたわけだが、そこにはこのように書かれていたという。17年8月12日『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)のなかで久米氏は組織委員会から届いた手紙の内容をこのように朗読している。

「第32回オリンピック競技大会においては招致の段階で、開催時期は2020年7月15日から8月31日の期間から選択するものと定められていました。この期間外の開催日程を提案した招致都市は、IOC理事会で正式に候補都市としてすら、認められていませんでした」
 組織委員会が主張する「この期間外の開催日程を提案した招致都市は、IOC理事会で正式に候補都市としてすら、認められていませんでした」という認識は正しい。

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