まず、幸福の科学請求書は2014年5月、文科省で当時、大学設置室長だった今泉柔剛氏と面談を行ったことを記しているのだが、そこにいきなりこんな記述が登場する。
〈さらに、6月10日の面談において、今泉前室長は、自由民主党総裁特別補佐である萩生田光一衆議院議員の仲介による調整によって、「幸福の科学大学」の学長候補者を九鬼副理事長から別の人物に替えて、九鬼副理事長は「総長」として置くこととすれば、細かい問題はあっても工夫によって大学設置認可が可能であるとの趣旨の発言をしていた。〉(弁明請求書より)
そう、幸福の科学が提出した文書に、「萩生田光一衆議院議員による仲介による調整」とはっきり書いてあるのだ。しかも、その文書によれば、この萩生田議員の仲介・調整は文科省の大学設置室長が口にし、認めていたとされている。
では、その萩生田氏の「仲介による調整」はいったいどういった内容だったのか。直後の文章を読むと、より具体的になる。
〈それと同様の発言として、5月27日に行った大学関係者と萩生田議員との話し合いの中でも、「(学長を変えるというのは)九鬼さんの人格を否定しているわけでなく、正直言って、今後しばらく我慢したほうが得なんじゃないかと。これはもう、役所がそういうアドバイスしたってことになると大変なんだけど、今までの例を見ても、やっぱりそこは経験のある、正直言うと名前だけ借りてスタートして、それで一年間のうちに、九鬼さんが副学長とか、そういう経験を積んで、その間に一つ論文でも出しておけば、2年目からは堂々と学長やれるから、そこではもう、介入できないから。」と、萩生田議員からも学長を変えれば開設できるという旨のアドバイスがあった。〉(同上)
ようするに、九鬼一氏(幸福の科学学園副理事長)の学長就任に難色を示す文科省との間で仲介に動いていた萩生田氏が、幸福の科学側の関係者と「話し合い」、“当初は別の人間を学長にしておいて1年後に九鬼氏にすげ替えればよい”とアドバイスをしていたというのである。しかも、幸福の科学側の説明によれば、実際に萩生田氏の助言に従って学長候補者を変更したというのだ。
〈そして、これを受けて小代哲也大学設置室長補佐に、具体的な書面作成方式につき詳細に相談をした上で、当学園は、萩生田議員と今泉前室長のアドバイスに則り、本来であれば九鬼学長で申請継続したかったにも関わらず、学長候補者をやむを得ず変更した。〉(同上)
事実であれば、萩生田氏は、まさに大学設置認可を申請中の学校法人と接触を持ち、直接、認可されるよう奔走していたことになる。