醜い“公開ヘイト攻撃”をしておきながら、勝ち誇ったように“懲らしめてやったのだ”と言わんばかりに悦に入る──。実際、Twitter上では「よく言った!」「僕はスッキリしましたよ」と東国原の言動に賛同を示す意見、「早く韓国に帰れよ」「大嫌いな韓国人である!」など、大量のヘイトを生み出したが、東国原は最初からこういう反響を期待して、狙い撃ちしていたということではないのか。
まったく下劣というほかはないが、今回、東国原の罵倒がさらに常軌を逸したレベルにまでエスカレートしたのは、もうひとつ理由があるかもしれない。それは、金教授が「女」だという理由だ。
たとえば、東国原の怒鳴り口調を聞いて“あのこと”を思い出さなかっただろうか。そう、東国原が2016年から上西小百合衆院議員(当時)と繰り広げたバトルだ。
上西とのバトルのきっかけは、東国原がテレビで、大阪維新の会に所属していた時代に上西の面接をおこなったと言い、「(本性を)見抜けなかった」などとコメントしたこと。これに上西氏が東国原から面接は受けていないとし〈私についてテレビで度々嘘をつく〉と反論、Twitter上でのバトルとなり、『ゴゴスマ』や『バイキング』、特番などで生対決がおこなわれるように。だが、このときも東国原は上西に「答えなさいよ!」だの「じゃあ証明しろよ」だの、まるで子どもの喧嘩のような罵倒を繰り広げ、上西が出席していた国会の委員会を「欠席してた」と言い張り、後で謝罪する羽目にもなっている。
直接対決以外のTwitterなどではもっとひどく、上西に対して「常識の無いゲス野郎達」「政治家としても人としてもクズ」「政治的にバカ」などと悪罵の限りを尽くしていた。
もちろん、上西の側も相当な毒舌でかなりひどい東国原攻撃を連発していたが、それにしても、このときの東国原の言動は常軌を逸していた。他の男性コメンテーターや論客たちと意見が対立しても、ここまで感情的になったことは一度もない。
記者への姿勢でも同様だ。これまで週刊誌にスキャンダルを書き立てられてきた東国原だが、自分を批判する女性記者に対しては攻撃的で、「週刊文春」の女性記者にハニートラップを仕掛けられたと『バイキング』でデマを喧伝し、当の女性記者から「週刊文春」で反論されたこともある。
もしかしたら、東国原は「自分の言うことを聞かない女」「自分に逆らう女」に対して、何か異常なルサンチマンのようなものがあるのではないのか。