他にも、8月2日に安倍政権が韓国の「ホワイト国除外」を閣議決定すると、韓国の文在寅大統領が強く日本政府を批判したが、これについて日本のマスコミは一斉に「文大統領が日本を『盗人猛々しい』と批判」と報じ、これにまたネトウヨたちが過剰反応。佐藤正久副外務大臣も2日、BSフジの番組で「『盗っ人猛々しい』という品のない言葉まで使っているのは異常だ。日本に対して無礼だ」と怒りをあらわにした。
しかし、毎日新聞7日によれば、文大統領が使った「賊反荷杖」という四字熟語は、日本語では直訳できない表現で、ニュアンスとしては「悪いのはあなたでしょ」程度の語感だという。事実、韓国報道の日本語訳では「『加害者の日本が居直り、大口をたたく状況を座視しない』と強い口調で語った」(聯合ニュース)などと訳されている。
毎日新聞の記事を執筆した堀山明子・ソウル支局長は〈今回の「賊反荷杖」の訳を巡るすれ違いは、本質的には翻訳の問題というよりも、日韓首脳会談も開けないほどの相互不信から生まれた事件ではないか〉とまとめているが、安倍政権が韓国批判を強めるなかで、国内のマスコミ報道がそれを忖度するように“角度”をつけて翻訳してしまったということではないのか。
そうした国内の状況を考えても、やはり、ソウル市中区の「官製不買運動旗」を韓国市民が拒否したというのは、この「最悪の日韓関係」を打破する可能性をもつのは、市民の力だということを痛感させられるのだ。そして、日本でも、安倍政権の「官製韓国ヘイト」やマスコミの嫌韓報道とは別の次元では、そうした市民による友好の意思が発揮されつつある。
先月末にTwitterで生まれた「#好きです韓国」のハッシュタグだ。