とにかく、取材すればするほど、胡散臭さが強くなってくる進次郎議員の結婚だが、しかし、安倍首相と絶大な人気を誇る政治家の合体がもたらす恐ろしい未来は、こんなものではすまない。
進次郎議員が入閣すれば、安倍政権の内閣支持率は急上昇するのは確実。そうなると、いま、揺れている国民民主党などからも一気に安倍自民党にくっつく議員も出てくるだろう。
菅義偉と進次郎議員の「文藝春秋」対談のサブタイトルには前述したように、「憲法改正」も入っていたが、もともと9条改憲に積極的な進次郎議員が安倍改憲のスポークスマンとして前面に出てくれば、国民世論も一気に改憲に傾く。
安倍政権の極右思想や戦前回帰志向への警戒感が薄れ、進次郎議員によって“改憲=新時代”というイメージにロンダリングされてしまうからだ。
そして、安倍首相のバックアップのもと、進次郎首相誕生となれば、さらに酷いことになるだろう。現在の日本の格差拡大・貧困化を生み出した元凶は、小泉純一郎政権の新自由主義政策にあったことは周知の事実だが、進次郎議員の政策はその父親の路線を完全に引き継いでいる。
進次郎議員は絶大な人気を誇るだけに、安倍政権より国民に負担を強いる政策はやりやすくなり、新自由主義路線や親米タカ派路線はどんどんエスカレートしていくはずだ。しかも、バックには安倍首相がついているため、戦前回帰、極右志向はそのまま温存される。
まさに恐怖しかない安倍首相と進次郎議員の合体。そう考えると、これからメディアで始まる進次郎・クリステルの結婚フィーバーは、日本の暗黒時代の本格的な幕開けを伝える号砲と言ってもいいかもしれない。
(田部祥太)
最終更新:2019.08.08 11:54