さらに、その収容施設での扱いがひどいものだったという。チョラクさんは「食事に関しても、良くない食事。ご飯のなかから虫が出たし。コロッケのなかにゴキブリが入っていて、ゴキブリが半分に切れていた」と証言し、また、15畳の部屋に8人が詰め込まれる環境に対しても「ずっと部屋のなかだから、それはちょっと直してほしい。人間として認めてほしい。やっていることはすべて人権違反です」と改善を訴えた。
『NEWSな2人』のインタビューでは触れられていなかったが、チョラクさんは東京入国管理局(現・東京出入国在留管理局)に収容されていた今年3月、体調不良を訴えたため家族が救急車を呼んだにもかかわらず救急搬送で病院まで連れて行ってもらうことができず、支援者らが東京入管の前で抗議の声をあげたという一件もあった。これも、収容施設のなかでいかに人権侵害がなされているかということの一例である。
結果的にチョラクさんは今年6月に仮放免となったが、しかし、外での暮らしも大変だ。難民申請の通っていない状況では、埼玉の外に出ることもできなければ、仕事に就くこともできない。今後の生活には困難がともなう。
そして、難民申請が認められないことは、子どもたちの人生をも不幸にしてしまう。
チョラクさんの妻は「子どもが大変です。日本で生まれて、国籍もないです。日本にいるけど、日本にいないみたい」と、日本で生まれ育ったのにもかかわらず、日本国籍を得ることもできない子どもたちの未来を案ずる。
子どもたちにとって生まれ育った日本は故郷なのだが、しかし、日本政府はチョラクさんの家族を難民として認定しようとはしない。そのため現在はいつトルコへ強制送還されてもおかしくない状況だ。チョラクさんはこの状況を嘆く。
「子どもたちはいまさら(トルコへ)帰ったところでどうなる。子どもたちの将来はどうなる。日本語しかわからない。トルコの生活もわからない。なんにもわからない」
日本政府の対応はあまりにひどい。加藤は「なんでそういうことになるんだろうね」とつぶやき、「他の国に行こうって思ったことはないですか?」と質問を振る。