この日の『サタデージャーナル』では年金問題のほか、番組の冒頭でイージス・アショアの問題も取り扱い、これに対しても上田は「役所の統計の杜撰さですとか、資料のいい加減さとか、あれほど大きな問題にここ数年なっているのにも関わらず、またこんなひどい資料が出てきました」「地元の方、それは納得するわけないですよね」と、徹底的に批判していた。
年金問題とイージス・アショア問題。上田はこの2つの問題を並べたうえで、このように番組をまとめた。
「選挙前ににわかに浮上した2つの問題。そこに共通して感じたのは、どこかで見たことがあるような既視感でした。あったことをなかったことにする。答えありき、結論ありきで進める政策。政治は結果がすべてという声も聞こえてきますが、民主主義の国においてはそのプロセスを見せることも同じぐらい大事ではないかと思います。選挙前だからこそなかったことにするのではなく、国民の前に選択の判断材料をしっかりと見せてほしいと思います。目先の選挙ばかりにこだわる政治。それが果たして、我々国民、未来の子どもたちにとって、より良い世の中をつくることにつながるんでしょうか?」
上田が「既視感を感じた」と言っているとおり、金融庁報告書問題、イージス・アショア問題、加計学園獣医学部新設問題、森友公文書改ざん問題、統計不正問題……これらの問題はすべて同根だ。政権に都合のいい「結論ありき」で、政権の意に沿わなければ、公文書も統計も事実も都合よく書き換えるか破棄してしまう。こうした安倍政権の体質そのものが問われるべき問題である。
上田は「政治は結果」「結果を出す」という安倍首相の常套句を持ち出したうえで、「民主主義のプロセス」こそを大事にすべきであると、安倍政権の独裁的手法を批判したのだ。
どうだろうか、この上田の鋭さ。『サタデージャーナル』がもし本当にこのまま終了してしまうのだとしたら、つくづく惜しいと思う。時間帯を変えて存続してもらいたい。愛人問題の言い訳を垂れ流すか、時事オンチの放言を吐き出しているだけのビートたけしの『新・情報7DAYS ニュースキャスター』(TBS)あたりと交代してもらえないだろうか。
(編集部)
最終更新:2019.06.18 10:49