まず、長谷川氏は、自分の部落差別発言が収められた動画が、いかに不自然であるかをこう主張する。
〈僕はアナウンサーをしていました。17年半。毎日のようにニュースを伝えてきました。教育も受けてきています。
なんだこれは。
画面上の僕は「江戸時代には士農工商の下に人間以下に設定されたエタ・非人がいてね」「その人たちにも性欲がある」「犯罪のプロ集団」と嬉々として話していました。
なんなんだこれは。
しかもよく聞くと、そうとも言い切ってない。なんだか主語も述語もおかしなことになっていて、とてもじゃないですが、アナウンサーの喋りじゃあない。〉
〈しかも、これは2月の講演会の映像でした。
僕がそんなことを言っていたのが本当だとしたら、2月に問題になっているはずです。それくらいおかしな映像。何で3カ月もたって5月に問題になるのか。〉
そのなかで、動画について、こう結論づけるのだ。
〈切り取られて編集されている。〉
しかも、長谷川氏は〈これが反維新。デマでも編集でも何でもやってきます〉〈維新を攻撃している連中というのは選挙前には「ここまでやってくる」〉(11日の追記)などと書いている。
陰謀論の言い訳も大概にしてほしい。そもそも、最初にアップされた経緯を考えると反対勢力によるものとは思えないし、動画を見ても、問題発言部分について「切り取られて編集」された形跡はない。
また、長谷川氏は11日になって別の2本の講演動画を公開、それを証拠に問題の動画で〈「差別などは許されない」と明確に言っている→切り取られている〉などと主張したが、別の動画で“差別は許されない”と発言しているからといって、問題の動画で切り取られている証拠になるはずがない。
しかも、長谷川氏は「切り取られた証拠」として公開したその2本の講演の動画でも、やはり「穢多・非人」が「犯罪集団」になったのではないかという趣旨の差別発言をしていた。
「その穢多とか非人って人たちは普通に結婚することも引っ越しをすることも許されず。でもね、そういう人たちにしてみても、当然のことながら遊びたいですし友だちとも学びたいですし、言ってしまうと性欲なんかもあるかもしれない。そういうような人たちがひょっとしたら、一部、山賊になっていったり夜盗となって、そういう犯罪集団になっていったのかもしれないですよね」(1月の講演)