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英国の反トランプデモがスゴい!「お前はフェイクだ」と喋る巨大人形まで…おもてなしで媚びへつらう属国日本との差

 そもそも訪日にあたってトランプ大統領の政策や差別主義を大々的に批判したメディアはほぼ皆無で、報道姿勢は完全に浮かれモードだった。安倍首相は恒例のゴルフに、“枡席にソファー”を用意した異例の大相撲観戦、ハリウッド御用達の炉端焼きでのディナー、新天皇との会見……とこれまで以上の過剰接待を繰り広げたが、日本のマスコミとりわけテレビは、それを批判するどころか、まるで“セレブの追っかけ”のごとく実況中継を展開した。

 たとえばNHKの大相撲中継では、トランプが観戦を終えて退場する際、「あー、一般のお客さんと握手を交わしています」と実況しながら伝えたが、その握手をしている人たちのなかには“安倍応援団文化人”の櫻井よしこ氏、門田隆将氏、金美齢氏の姿がハッキリと映っていた。どう見ても「一般のお客さん」ではない。NHKはその後も、六本木の高級炉端焼き店に移動する様子を中継で報道し、「工夫が凝らされたおもてなし」「安倍首相はトランプ大統領と世界でもっとも会っている」などと紹介した。民放ワイドショーや新聞でも、トランプが食べた特製ハンバーガーや高級炉端焼き(じゃがバターや若鶏の串焼きなど)を詳しくレポート。他にやることはないのか?と聞きたくなってくる。

 そして当然のごとく、“安倍応援団”のヨイショもまたグロテスクだった。NHKの岩田明子記者は、トランプ大統領が日本の農産物の関税大幅引き下げについて「日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる」とツイート、事実上、安倍首相が選挙対策で引き下げ公表を待ってほしいとしたのを暴露したことについて、なんと「(安倍首相の)狙い通りだとも言えます」と強引に評価をしてみせた。政治ジャーナリストの田崎史郎氏も『めざましテレビ』(フジテレビ)で「(安倍首相は)参院選への懸念材料を一つ先送りにすることができたと。国内政治的には大きな意味を持つことになると思います」と絶賛。国益を売り渡す妥結を選挙後に引き延ばすという国民への背信行為が、どういうことか、「安倍首相の素晴らしい手腕」になってしまうらしい。

 トランプ大統領の訪問に対する日本とイギリスのこの温度差は、いったいなんなのだろうか。英国メディアはトランプへの接待が差別主義や独裁主義の正当化の宣伝になると明確に警鐘を鳴らすが、日本のメディアは過剰接待を批判するどころか、逆に「これで日米同盟が盤石になる」「これだけトランプ大統領と親密なのは安倍首相だけだ」と政権を持ち上げながら胸を撫で下ろす。国際感覚が著しく欠如しているというだけではない。まさしく米国頼り一辺倒の奴隷根性が染み付いているということなのだろう。

 米ワシントン・ポストにも〈安倍首相ほどトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいない〉と呆れられた安倍首相はもちろんだが、日本のマスコミも同じく世界中に恥をさらしたのだ。そのことを自覚しない限り、この国はますます国際社会から孤立し、最終的にトランプ・安倍の“恥さらし同盟”と心中することになるだろう。

最終更新:2019.06.10 10:30

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