小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

立川志らくと八代弁護士が桜田前五輪相の“3人産め”暴言を擁護!「そこまでひどいことを言ったのかな」「よくあること」

桜田義孝公式ホームページより


 呆れて開いた口が塞がらない。今年4月、「復興以上に大事なのは議員」と発言して五輪担当大臣を辞任した自民党の桜田義孝議員が、昨日おこなわれた猪口邦子・元少子化担当相のパーティでまたも暴言を吐いたからだ。

 桜田前五輪相は少子化問題について「結婚しなくていいという女の人が増えている」と言うと、こうつづけた。

「お子さん、お孫さんには子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」

 先日お伝えしたように、自民党は参院選を控えて“失言防止マニュアル”を作成・配布したというが、その矢先にコレである。というか、少子化問題に絡めた「女は子どもを産め」という暴言を、自民党議員は何回繰り返せば気が済むのか。

 しかも、この言語道断の暴言を擁護する者まで現れた。落語家の立川志らくが、本日放送の『ひるおび!』(TBS)でこんなことを言い出したのだ。

「そんなに悪意は多分ないと思うんですよ。親戚のおじさんかなんかが飲んでいるときに『お前、3人ぐらい産みなさいよ』ってこれよくあることですよ。とくに昭和の時代なんかはそういうの普通に映画のなかでもあるじゃないですか」

 いや、「3人ぐらい産め」と言うことに「悪意」がないと捉えていること自体が問題なのであって、そういった日本社会に蔓延る「女性は子どもを産んで当然」という圧力に多くの人たちが苦しんでいる現実がある。

 そもそも、すべての人には、子どもを産むことも、いつ産むのか、何人産むのか、そして産まないという選択をするリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)がある。「子どもを産め」と女性に押し付けることは、明白な人権侵害行為なのだ。

 また、そうした旧態依然とした価値観を、志らくは「昭和の時代はそういうの普通に映画のなかでもある」台詞だからと振りかざして擁護するが、セクハラ擁護などと同じく男尊女卑が当たり前で女性が虐げられ我慢させられていた時代と比べることになんの意味もない。しかもそれらの物語は、果たしてその価値観を肯定的に描いていたのだろうか。「子どもを産め」という台詞のなかに女にかかる社会的圧力を表現している場合も多分にあるはずだが、そうした文脈も志らくは無視してはいないか。

 また、志らくはつづけて「いまの時代は、政治家ならば『3人の子どもを産んでも普通にちゃんと生活できるような社会をつくります』って言っときゃあね、何の問題もない」などとも述べたが、政治家が「言う」だけの口だけでいいはずがない。事実、安倍自民党は消費増税を筆頭に「普通の生活」を切り崩すような政策を打っているのが現状ではないか。

 志らくだけではない。八代英輝弁護士も「そこまでひどいことを言ったのかなっていうのはわからなくて」「産める方は、産める条件・環境にある方は、っていうのが大前提だと思いますけど」「それを全部断って言えば問題ないのか。それ自体、口にすること自体がはばかられるような社会にしちゃうとなんか気持ち悪いな」と、女性のリプラダクティブ・ライツを無視してむしろ批判することのほうがおかしいくらいの口ぶりだった。

「産める条件・環境」にあっても産むか産まないかは個人の自由なのに、「産んでと言えない社会は気持ち悪い」とは……。とにかく、桜田前五輪担当相の最悪の暴言を、志らくも八代弁護士もよくもまあ擁護できたものだと思うが、こうやってこの社会から「女は子どもを産め」という圧力がなくならないのは、政権与党の政治家たちが同様の暴言を連発しすぎて慣らされているせいもあるはずだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。