無反省なまま「子どもを産め」発言を繰り返す安倍自民党
振り返るだけで腹立たしいが、いくつか以下に列記したい。
「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」(麻生太郎財務相/2019年2月)
「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」「皆が幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も栄えていく」(二階俊博・自民党幹事長/2018年6月)
「必ず新郎新婦に3人以上の子どもを産み育てていただきたいとお願いする」「結婚しなければ子どもが生まれないから、ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」(加藤寛治衆院議員/2018年5月)
「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」(山東昭子参院議員/2017年11月)
はっきり言って、こんな暴言を吐く輩に政治家としての資格などない。政権与党の政治家として少子化を食い止めたいと本気で考えているのならば、まずは待機児童問題の解消をはじめ、女性が仕事と育児を両立しやすい環境づくり、男女ともに不安定雇用や長時間労働の見直し、男性の育児参加、選択的夫婦別姓制度の導入、さらに未婚でも産みやすい社会──男女の賃金格差の是正、同棲や事実婚に法律婚と同様の保護を与える──などを押し進めるのが筋だ。
だが、そうした政治家としてやるべきことに取り組むこともなく、「女は子どもを産め」と合唱するのみ。リプロダクティブ・ヘルス/ライツという当然の人権をもこの自民党議員らは踏みにじり、加藤議員の「ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」発言にいたっては、産まない選択をした女性への社会保障を否定するかのような、信じがたい暴論だ。
それどころか、菅義偉官房長官にいたっては、2015年9月の福山雅治と吹石一恵の結婚に際して「ママさんたちが一緒に子どもを産みたいとか、そういうかたちで国家に貢献してくれればいい」「たくさん産んでください」とコメント。子どもを産むことを「国に貢献」することなのだと堂々と明言したのである。