小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

川崎殺傷事件「一人で死ね」論に警鐘を鳴らす藤田孝典に、古舘伊知郎、ニッチェ江上も賛同! 包摂こそが犯罪を阻止する

 まず、画期的だったのは、レギュラーコメンテーターの古舘伊知郎だった。古館は容疑者をモンスター扱いする報道にこう異を唱えたのだ。

「こういう痛ましい、本当につらいことが起きますと、『考えられない』『あり得ない』と遠くに置いてしまうことによってね、『ひとりのモンスターがいる』と。『自分たちは違う』と、僕なんかも思いたくなっちゃうんですよ。そんなことやるわけないんですから、普通の人間が。だけど、命を絶たれた方、残された家族の方を思うときに、あんまり遠いことと思っちゃいけないわけですよ」

 続いて、MCの石井亮次アナウンサーが、藤田氏の主張を紹介したのだが、その際、自分自身の発言を省みるかたちで、こうコメントした。

「(容疑者は)人を巻き込んでから自殺しています。これに関して私は昨日放送で、『死にたいんだったらひとりで死ねばいいじゃないか』ということを言いました。でも、そういうことを言っちゃいけないんだという声もあります。そういうことを言っちゃいけない理由を考えることが、今後こういう凶行を生まない社会はどうすればできるのかということを考えるきっかけになると思います」

 もっとも、その後、犯罪心理学を専門とする筑波大学教授の原田隆之氏が藤田氏の主張に対して「そういうメッセージも受け取れないような偏ったパーソナリティーの人たちがいる」と異を唱えると、番組は他のワイドショーと同じような、モンスター扱いの空気に流れそうになる。

 しかし、この流れを打ち破ったのも、古舘だった。古舘は「直接の解決策ではないんだけれども、とっても身近で大事なことを江上さんが」とレギュラーコメンテーターのニッチェ・江上敬子に話を振る。そして、江上が「自分がまわりの人に優しくして、その優しさが回り回って、巡り巡って、そういう犯行を阻止できるんじゃないか。それぐらいしか自分たちはできないかもしれないけれど、そういうのって大事なんじゃないかと思うんですよ」と言うと、古舘はそれを受けて、「一直線で解決する話ではないけれども、世の中は因果律で成り立っていると思うんで、回り回って、巡り巡ってってことを考えると、『そんなの面倒くさい』じゃなくて、人に対する無関心みたいなものをちょっと内省的になるのって大事じゃないかなと思う」と発言した。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。