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百田尚樹が古市憲寿の『日本国紀』評に「ウソ書くなボケ」と激怒! でもウソをついてるのは百田センセイのほうだった

 たとえば『日本国紀』(第一刷)の391〜392ページに綴られたコラムにはこうある。

〈「大東亜戦争は東南アジア諸国への侵略戦争だった」と言う人がいるが、これは誤りである。
 日本はアジアの人々と戦争はしていない。〔中略、引用者注:日本が戦争をしたのはアジアを植民地とした宗主国だからだとの主張が続く。〕
 残念ながら日本の敗戦により、「大東亜共栄圏」が実現されることはなかったが、戦後、アメリカやイギリスなど旧宗主国は再びアジアの国々を支配することはできず、アジア諸国の多くが独立を果たした。この世界史上における画期的な事実を踏まえることなく、短絡的に「日本はアジアを侵略した」というのは空虚である。〉

 おい、はっきり書いとるやんけ……。たしかに「正義の戦争」という表現こそ使っていないが、百田センセイは『日本国紀』のなかで、明確に「東南アジア諸国への侵略戦争」を否定し、大日本帝国が大東亜共栄圏の構築を名目に行なった戦争に関連づけて“戦後、アジア諸国の多くが独立を果たした”という評価を下しているのだ。

 これは、どう考えても、「大東亜戦争は正義の戦争だった」という主張に〈近い〉とする古市の論評のほうが妥当だろう。

 なお、百田は日清戦争についても〈日本が清と戦った一番大きな理由は、朝鮮を独立させるためだったのだ。朝鮮が清の属国である限り、近代化は難しかったからである〉と記し、韓国併合は〈日本は大韓帝国を近代化によって独り立ちさせようとし、そうなった暁には保護を解くつもりでいた〉〈韓国併合は武力を用いて行われたものでもなければ、大韓帝国政府の意向を無視して強引に行われたものでもない〉などとし、日中戦争についても〈(第二次上海事変は)中華民国を侵略する意図はなかった〉〈「支那事変」は確固たる目的がないままに行われた戦争であった〉としている。明治から1945年の敗戦まで日本の帝国主義と侵略、戦争犯罪を否定ないし美化する論調に疑いはない。

 ようするに、百田センセイは古市が言っていないことをでっち上げて「そんなこと書いてない!ウソを書くな!ボケが!」とイチャモンをつけており、しかも、実際には日本がアジア侵略の建前とした大東亜共栄圏を正当化するようなことを書いているというわけだ。いったい、どんな頭をしたらこんなアクロバティックな逆ギレができるのか。それとも、自分が書いた内容を忘れているのか。呆れるしかないだろう。

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