石田は、安倍政権を忖度するメディアに対しても厳しい目を向ける。テレビ朝日の早河洋会長は石田が夕方のニュース番組『スーパーJチャンネル』のキャスターを務めていたときの報道局長だったと明かしたうえで、こう疑問を呈した。
「(テレビ朝日会長の)早河さんはいまやよく安倍さんと一緒に食事をされていますね。米国で三大ネットワーク、五大ネットワークのトップが政権トップとご飯を食べていますか。日本は先進国といえるのですかね。」
安倍首相と会食を重ねているメディアはテレビ朝日に限った話ではない。多くのメディアが政権と癒着するなか、石田自身、テレビ局の忖度と圧力を目の当たりにしたという。麻生太郎副総理兼財務相が「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうか」と発言した問題についてコメントした際の経験をこう語っている。
「番組中で、すっと終わりそうになったから、『すいません、ナチスの憲法というのはないです』『麻生さんは多分誤認されたんじゃないですか』と言ったんです」
石田は、ナチスは憲法を作ったり改憲したのではなく、全権委任法によってワイマール憲法を骨抜きにしたと解説しようとしたのだという。ところが、歴史的事実を語っただけのこの発言が、問題視された。
「番組終了後に、ディレクターが飛んできて「石田さん、そういう発言は困ります」と言われました。カンカンになって怒ってきたと」
ちなみに、ここで「カンカンになって怒ってきた」相手について、石田は「わからないけどたぶん麻生事務所か自民党」と答えているが、この一件をきっかけに、「それから在京のテレビ局にはあまり呼ばれなくなった」とも語っている。