昨年の自民党大会での安倍首相(撮影・横田一)
このことは、1月16日の辺野古現地視察の後、那覇市内で開かれた野党合同ヒアリングでも防衛官僚が「あそこ」が意味するのは土砂投入エリアであることを認めていた。ヒアリング後の記者会見で、赤嶺政賢衆院議員(共産党、沖縄1区)から次のような総括的な発言が出たのはこのためだ。
「首相が日曜討論で『あそこのサンゴは移植した』というのは全くの嘘とデタラメで、(ヒアリングで説明した)防衛官僚も『あれは埋立エリア2の1のところだ』と仰っていましたが、『(埋立エリア)2の1』は防衛省においても移植対象のサンゴはなかったわけですから、『サンゴを移植したのは嘘だ』と。嘘を言わせたと。訂正をするべきだ」
そこで質疑応答に入ったところで、「赤嶺先生が仰った『安倍総理の事実誤認のフェイク発言』について、事実を曲げて放送した放送法違反にも当たると思いますので、NHKが(安倍首相発言についての)訂正放送を流すか、『そう(事実誤認)ではない』というのなら安倍総理を囲んだ討論会で反論するか、あるいは国会で議論するなどの対応が必要だと思うのですが、その点はいかがでしょうか」と訊くと、赤嶺議員はこう答えた。
「フェイクですから安倍首相が『フェイクを発言した』ということをきちんと認めさせる。訂正させることをまず最初にやりたい。その上で、NHKに対しても明らかな事実を曲げた発言をそのまま放送した責任については問うていきたい」
続いて川内博史衆院議員(立憲民主党)は、安倍首相発言が文書に基づくものではなく、口頭説明の記憶に基づくものだったと指摘した。
「今日のヒアリングで防衛省は『(サンゴを含む)底生生物について総理レクした資料はない』『口頭でレクをする時にサンゴについて触れることはあったと思います』と言ったのです。総理のあの発言は目茶目茶いい加減な発言だということなのです。根拠なく、総理がテレビであのような発言をする。その総理自身の総理としての発言の本意というものを確認する必要がある。『何で、そんないい加減なことを言うのか』ということだと思います」