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安室奈美恵、上田晋也、村田諒太…圧力に負けず政権への怒りを貫いた芸能人に捧ぐ!「芸能人よく言った大賞」(前編)

 オリンピックの金メダリストや人気のプロスポーツ選手をかたっぱしから取り込んで、政権の宣伝に利用しまくっている安倍首相。残念ながらメディアやスポーツ選手の側も多くはその仕掛けにすっかり乗せられ、しっぽをふっているのが現状だ。

 ところが、そんな醜悪なスポーツの政治利用に、はっきりと「NO」を突きつけたのが元WBA世界ミドル級王者の村田諒太だ。村田は、安倍政権が冬季オリンピックで金メダルをとった羽生結弦選手に国民栄誉賞を授与することを検討し始めたと報じられると、「東京新聞」のコラムや「週刊新潮」(新潮社)のインタビューなどで、こう批判したのだ。

「五輪の価値とは競技レベル(競技人口、普及率等)ではなく、企業や政治的に広告として価値があるかどうかなのかと考えさせられる、いらないオマケのついた平昌五輪でした」(東京新聞)
「厳しい練習を重ねたすえにようやく掴んだ問いへの答えが、同じスポーツ選手なのに差別されることには疑問を感じないわけにはいきませんでした」(週刊新潮)

 しかも、村田選手は感情論で羽生選手に国民栄誉賞を与えるなといっているわけではない。「週刊新潮」のインタビューでは、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を引くかたちで、人間にとって「公平」というものがいかに難しいかを語ったうえ、安倍政権の姿勢を「差別」だと批判していた。雑誌やテレビで哲学者と対談し、ニーチェやアドラーを愛読するなど“読書家”の一面が知られる村田選手ならではの、知性と倫理性のある批判だったといえるだろう。

 2020年東京オリンピックが近づくこれから、安倍政権によるスポーツの政治利用はどんどんエスカレートしていくはずだ。村田選手のように流されない自立したスポーツ選手が一人でも多く登場してほしい。

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