たしかに、『日本国紀』を読むと、日本と日本人は太古から素晴らしかったと喧伝し、GHQによる「WGIP洗脳」陰謀論を煽った挙句、〈日本にとって憲法改正と防衛力の増強は急務である〉と強調。こんなポエムで締めくくられている。
〈「敗戦」と、「GHQの政策」と、「WGIP洗脳者」と、「戦後利得者」たちによって、「日本人の精神」は、七十年にわたって踏み潰され、歪められ、刈り取られ、ほとんど絶滅状態に追い込まれたかのように見えたが、決して死に絶えてはいなかったのだ。二千年の歴史を誇る日本人のDNAは、私たちの中に脈々と生き続けてきたのだ。それが今、復活の時を迎えている──。〉
いずれにしても、こうした経緯をみれば、一国の首相が“コピぺ”や“歴史の歪曲”を指摘されている本を堂々とPRしていた理由がよくわかるだろう。
安倍首相にとっては、改憲プロパガンダが広まれば、言論の質や事実関係などどうでもいいいのである。
そういう意味ではまさに、安倍首相こそがこの国の“フェイクの親玉”といってもいいのかもしれない。
(編集部)
最終更新:2018.12.31 01:15