先月、見城社長がホストを務めるトーク番組『徹の部屋』(AbemaTV)に、百田センセイと編集にかかわった有本香氏、そして幻冬舎の担当編集者である高部真人氏が出演。4人で『日本国紀』に対する自画自賛トークを繰り広げたが、そのなかで、安倍首相が『徹の部屋』に出演した日のできごとが同書出版の大きなきっかけになったことが明かされている。
先の総選挙の公示日2日前にあたる2017年10月8日夜、見城社長が同番組に安倍首相を出演させ、「ずーっと安倍さんのファン」「すごくハンサムですよ。内面が滲み出ているお顔ですよ」などと歯が浮くようなヨイショを連発、“接待放送”を繰り広げたことで大きな批判を浴びたものだが、番組にはのちに『日本国紀』編集に名前をつらねることになる有本氏も出演していた。
その有本氏が明かしたところによると、安倍首相生出演の番組が始まる前、見城社長は控室で、「百田さんが歴史の本書くらしいんだけどさ、それウチだよな!」とぶちあげたのだという。
安倍首相の盟友である出版社社長が自分の番組に安倍首相を招いたその日に、具体的な『日本国紀』出版計画が飛び出す、これは偶然ではないだろう。安倍首相と見城社長は12月5日の夜にも、首相動静には載らないかたちで秘密裏に会食を行なっていたのではないかともささやかれているが、実は安倍首相自身も『日本国紀』出版に深くコミットしていたのではないか。
そして、もちろん、その目的は安倍首相の悲願である改憲プロパガンダだ。実際、見城社長自身は先月の同番組で、『日本国紀』の意義についてこう強調した。
「この本の大きな意義の、いっぱい意義はあるんですけれども、憲法改正ですよね。いかにこの憲法がデタラメのなかで押し付けられた憲法なのかっていうのがつぶさに書いてあります」
「自民党というのは党是として憲法改正を掲げてたわけだから。これもここ(『日本国紀』)にきちんと書かれていますけれども、その流れも全部。だから憲法改正は当然のことなんですよ。ね。それを憲法改正はいけないことだという、このなんか、野党の風潮というのはよくわからないね」