実際、安倍首相と違って首相動静に載らない分、菅官房長官のほうがはるかに“暗躍”しているとも言えるだろう。顕著なのが、テレビのキャスター、コメンテーター、ジャーナリストへの会食による懐柔工作だ。
たとえば、その相手として名前があがったのが『ひるおび!』(TBS)の恵俊彰だ。『ひるおび!』といえば、田崎史郎氏や八代英輝弁護士ら安倍応援団による政権擁護姿勢が有名だが、MCの恵も菅官房長官と会食をしていたというのである。
この話を暴露したのは、東国原英夫。今年5月の『ゴゴスマ〜GOGO! Smile!』(CBCテレビ)のなかでいきなり「『ひるおび!』の恵と菅さんがご飯を食べた」と発言したのである。
「東国原の発言以前から、恵と菅官房長官が食事をしているという情報は流れていました。一度だけでなく、何度か会っている可能性もあります」(全国紙政治部記者)
『ひるおび!』で安倍政権擁護に誘導する仕切りには、こういう裏があったということなのだろうか。
菅官房長官のこうした懐柔工作は、政権に批判的なキャスターにも向けられている。毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長く続けていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。
「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」
「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)