事実、今週発売の「週刊文春」(文藝春秋)2018年12月20日号が、その鷹司統理の“怒りの肉声”をレポートしている。「週刊文春」によれば、11月24日の役員会で鷹司統理は20人弱の出席者を前にこう述べたというのだ。
「(辞意撤回の通達文について)文書を出すに当たって統理の了解を取ってないんですね。私は知らないんですよ。そういうのが出たっていうのを後から聞いてね……。(中略)総長の進退問題を扱っているにもかかわらず、統理に知らせなくていいんだっていうのが本当に不思議なんですね。本庁の決裁のメカニズムっていうのが、やっぱり歪んでいる」
しかし、田中総長も打田会長もこうした“最高権威”からの勧告にもかかわらず、一向に責任を取ろうとしなかった。それどころか、組織内の引き締めをはかり、異論をますます封じ込めようとしてきたのだ。
そして、そんななか、飛び出したのが、今回の鷹司統理に対する怪文書だった。今回の怪文書に田中総長らが直接関わっているかどうかは不明だが、その文面を見る限り、不動産不正取引追及の動きへのカウンターとしてまかれたのは明らかだ。
神社本庁は普段、「日本の伝統と文化を守り伝える」などと言っているが、一皮むけば、実態はカネと利権まみれ。しかも、疑惑を追及しようとした職員を解雇にしたり、幹部の責任追及の動きを怪文書で封じ込めようとしているのだから、開いた口がふさがらない。例の怪文書を読んだとある神職は、ため息混じりにこう語った。
「こんなことが繰り返されると、神社の信頼がどんどん落ちていくだけ。相次ぐ不祥事の責任をとらず、権力に固執し続ける田中総長たちこそ、ハタから見れば『“なんちゃって”聖職者』と思われても仕方ないでしょう」
現場の神職たちからは「こんな内輪揉めをしている場合ではない」という声も上がるなか、12月19日に予定されている本庁役員会では、あらためて田中総長の進退が問われるとの情報もある。本サイトでは疑惑の“本丸”である不動産不正取引疑惑もふくめ、今後も真相追及とレポートを継続していく。
(編集部)
最終更新:2018.12.15 06:19