あの田崎史郎氏でさえ、内閣改造が発表された際に「これまでの組閣・改造でいちばん出来が悪い顔ぶれ」と言い放っただけのことはある。しかも、このとき田崎氏は「5人くらい『大丈夫かな?』って人がいる」と語っていたが、6日放送の『ひるおび!』(TBS)での話によると、田崎氏が「大丈夫かな?」と考えていたのは片山地方創生担当相と桜田五輪相が2トップだったらしく、「まだナンバー3の人が(問題が)出てきていない。追及されると危ない」と述べていたほど。つまり、政権擁護の応援団員でさえ守りきれないような問題を抱えた大臣が、まだいると言うのである。
言っておくが、口利き疑惑はもちろんのこと、有権者への利益供与、補助金受給企業や談合で行政処分を受けた企業からの献金などといった「政治とカネ」の問題は、政治への不信感を呼び込むだけではなく、金権政治という民主主義の根幹を揺るがしかねない問題にもつながる。当然、徹底した疑惑の追及と、これだけの問題大臣を任命した総理大臣の責任は強く問われるべきものだ。
だが、どうだろう。森友・加計問題が起こっても安倍首相や麻生財務相がいまだに大きな顔をしている上に、カネの疑惑が次から次へともち上がり、世間はすっかり政治家の疑惑に慣らされてしまった。その結果、「またか」という呆れの空気ばかりが流れ、メディアも真剣に追及する動きはない。無論、この空気にほくそ笑んでいるのは安倍首相で、国会で任命責任を問われた際も「みなさんしっかりと結果を出していただきたいと期待している」(2日衆院予算委員会)などと宣ったほど。まったく責任も反省も感じていないのだ。
異常としか言いようがない「全員スキャンダル内閣」。しかし、もっと異常なのは、これをメディアと国民が許してしまっている状況のほうだろう。
(編集部)
最終更新:2018.11.07 10:54