6月12日には、加計学園問題をめぐって、3年前に安倍首相と加計孝太郎理事長が面談したとされることについて、今治市の菅良二市長が「記憶にもあまり残っておらず、書類も残ってないために詳細については確認できない」と述べたことなどを伝えたNHKのニュースを紹介し、〈また出た(^_^) 「記憶にあまり残っていない」〉〈こういう適当な答弁をしてれば済む,いい加減な国になってしまったね(^_^) この数年で ただの,いい加減な国(^_^)〉と投稿していた。
さらに、6月7日には、NKH『ニュースウオッチ9』での官邸キャップ記者による解説を紹介しながら、〈お茶の間のみなさんに笑われてるぞ(^_^) 「安倍首相は、トランプ大統領と最も親しい首脳として、 これまでも、大統領の決断に影響を与えてきました。」 by NHKの解説者(原キャップ) @NHKニュース9〉とツイートしている。
また昨年加計問題が“第2の森友疑惑”として取り沙汰され始めたなか、2016年に最高裁判事に任命された木澤克之氏が実は加計学園の元監事だったことが発覚し、安倍首相の“お友だち”人事ではないかと問題になったが、この件も岡口裁判官がメディアに先駆けて指摘していた。
こうした政権批判の要素を含む投稿は、これだけではない。現在、岡口裁判官のTwitterのアカウントは凍結されているが、たとえばFacebookをのぞいてみると、懲戒の申し立てがなされた9月以降も、政権幹部の発言や行政の行為に対して苦言を呈するような投稿がいくつも見られた。
念のため言っておくと、岡口裁判官の投稿は、前述のようにニュース記事を紹介したり、他者の投稿をシェア(リツイート)したりする形式が多く、直接的な発言は少ないのだが、それでも、司法当局に身を置きながら時に権力に批判的な投稿をいとわない姿勢は、安倍政権から見れば、間違いなく目障りな存在に映るだろう。
また、袴田事件などの“冤罪”事件に関する投稿など、判例や最高裁の決定等に対して批判的な投稿も少なくない。法曹界でもとりわけ「サラリーマン的」と揶揄される裁判所で、「上司」である最高裁に楯突くような岡口裁判官の発言が、今回の懲戒処分に与えた影響が果たしてないと言えるのか。