これまで、憲法学者の木村草太氏や近代思想史学者の中島岳志氏、”I am not ABE"で降板に追い込まれた古賀茂明氏など、政権批判をも厭わない骨太のコメンテーターを起用してきた『報ステ』が、権力者側に立った発言を繰り返し、人権侵害まで認定された人物を堂々とコメンテーターに据えるということ自体が驚愕だ。
「ZAITEN」によれば、桐永プロデューサーは「アベ友なんて書かれるのは迷惑千万」などとスタッフの前で嘯いているらしいが、これを“安倍官邸忖度人事”と言わずしてなんと言うのか。テレ朝は野村氏の起用について、処分期間中のコメンテーター起用の発表はタイミングが悪いとのことで先送りしているというが、一方、『報ステ』の内部ではすでに起用が発表されたとの情報もある。
いずれにせよ、野村弁護士の起用は、早河会長の意向を受けた桐永プロデューサー体制下、で『報ステ』が“政権御用化”していくことの決定的な兆候だろう。
政権に批判的な報道がどんどん下火になり、エンタメ路線に傾斜していく『報道ステーション』。このままでは、本当に「報ステは死んだ」と言わざるを得ない日がやってくるかもしれない。10月1日からの「リニューアル」を注視する必要がある。
(編集部)
最終更新:2018.09.30 01:14