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拉致問題「国民大集会」が安倍首相の礼賛大会と化す異様! 杉田水脈に声援、櫻井よしこや家族会からは石破茂批判、韓国ヘイト

 言うまでもないが、北朝鮮による拉致被害は日本だけではなく、韓国にもいる。拉致被害者は韓国政府が認定しただけでも485人にのぼる。つまり、韓国も被害者なのだ。

 しかも、今回、北朝鮮と米国が対話のテーブルについたのは、文在寅大統領ら韓国政府の働きかけに負うところが大きい。拉致問題を考えても、少なくとも何もしなかった安倍首相よりは、解決につながる突破口の役割を果たしたはずだ。

 にもかかわらず、このタイミングで、その韓国にまでヘイトを放ってどうしようというのか。今後の交渉を考えても、完全に逆効果だろう。

 それにしても、国民大集会がこんな強行路線と異論封殺の安倍信者大集会のようになってしまったのはいったいなぜなのか。

 たしかに、国民大集会は「救う会」や安倍応援団の主導でもともと政治色の強い集会だった。しかし、ここ数年、一向に事態が進展しないことで、家族会のなかには圧力路線に疑問を感じる向きも出てきた。横田早紀江さんなども、「政府を信じて良かったのか」といった言葉を漏らすようになった。そして、国民大集会もそうした空気を反映してか、ここ数年は右翼政治集会的な空気は弱まっていた。それがこの米朝対話が始まったタイミングで、一転して、こんな強行状況に先祖返りしてしまったのだ。

 その理由について、拉致問題をめぐる動きをウォッチしてきた新聞記者がこう分析する。

「やっぱり安倍政権や安倍応援団の焦りの表れでしょう。この間、強行路線一辺倒だった安倍首相は米朝韓から蚊帳の外に置かれてしまった。米朝会談後も拉致問題にまったく展望が開けず、交渉の難航が予想されている。世論やメディアの批判も強くなっていて、先日の総裁選でも拉致問題でかなりの批判を受けてしまった。だから、安倍応援団が牛耳る国民大集会を使って“拉致の安倍”イメージを挽回したかったのでしょう。家族会にも相当な働きかけをしたんじゃないでしょうか」

 安倍首相による拉致問題の政治利用、政治宣伝はいまにはじまったことではないので、それ自体は驚かない。「家族会」も安倍政権に頼らざるを得ない状況では、同調せざるを得ない部分もあるのだろう。

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