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大坂なおみを“日本の誇り”“日本の心”と利用するメディアと政治家の醜悪! 大坂自身は「私は私」と

 さらに、唖然としたのが二重国籍を利用しようという動きまでが出てきたことだ。大坂選手は現在20歳。日本の法律上、22歳までに日本国籍かアメリカの国籍かを選ぶ必要がある。これに対し、日本維新の会の足立康史衆議院議員が、大坂選手の優勝を受けてこのようにツイートしたのだ。

〈ノーベル賞、オリンピック等で快挙を成し遂げた日本国民には、二重国籍の特例を認めたらどうかな。
 こういうこと言うと、またツイッターのフォロアー激減しそうだけど、日本国民の皆さんはどう考えますか〉

 足立議員といえば、立憲民主党の蓮舫参議院議員(当時は民進党)の二重国籍問題をあげつらって“蓮舫代表の言動は中国の回し者”と投稿し、こんな一言まで添えていた。

〈国籍のことを言うのはポリコレに反するので本当は控えたいのですが、ストレスたまると午後の地元活動に影響するので書いてしまいます〉

 デマ情報やヘイトスピーチによって個人攻撃をおこない、挙げ句の果てにはヘイトスピーチを「ストレス発散」だと自ら認めていたような人間が、今度は「快挙を成し遂げた日本国民には、二重国籍の特例を認めろ」と言い出したのだ。

 9月10日放送『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)のなかで荻上チキ氏は政治家たちの一連の言動をこのようにまとめている。

「日本のツイッターとかニュースとかを見たら、日本の政治家とかが『日本の誇り』みたいなことを言っていたりとか、あとは一部議員とかが『例外的な二重国籍を認めていいんじゃないか』みたいなことを、蓮舫さんのときは叩いていた人が、コロッと掌を返して、『名誉的な人には与えていい』みたいなことを言っていてですね、もう頭がパンクしそうな、そんな状況になっていて」

 いずれにしても、普段、排外主義を振りかざす連中こそが、大坂選手のことを「日本の誇り」などと言っているのだ。ようするに連中は「使える人間ならば自分たちの“仲間”に入れてやってもいい」と言っているだけであり、それは前述したように差別意識の裏返し以外の何物でもない。

 そして、残念ながら、こんなとんでもない差別的言辞が政治家の口から堂々と語られ、何の問題にもならないというのが、いまの日本の現実なのだ。

最終更新:2018.09.13 11:09

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