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安倍首相の個人崇拝が止まらない! ネトウヨ・安倍応援団がタカ派・石破茂を「パヨク」攻撃する倒錯

 しかし、もっと深刻なのは、こうした「右翼」「保守」を名乗る連中の“安倍カルト化”が、何もネットだけの話ではないことだ。いや、むしろこうした安倍首相の政敵はその政治スタンスとは無関係に「左翼」認定して攻撃する流れは、「WiLL」(ワック)や「月刊Hanada」(飛鳥新社)などの極右雑誌、そして産経新聞という「保守」論壇にもモロに現れている。

 たとえば、産経新聞が8月20日付1面で「首相『石破封じ』牽制球次々」と銘打ち、先の総理経験者らと安倍首相の会食の“裏話”の体裁で出した記事。ご丁寧に細川護熙連立政権時に石破が一度は離党したことに言及し、最後は麻生太郎元首相が呟いたらしい「そういう苦しい時こそ人間性がわかるんですよ」との言葉で締められるという、安倍を応援する政治的意図がにじみ出た構成だった。

 この記事に対しては石破も、生出演した21日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)のなかで、ジャーナリストの青木理氏が「僕はある種、異様な記事だなと思った」と述べたことを受けて、「(メディアは以前は)どちらかの代弁人ではなかったと思っている。私はメディアと権力が一体となっているときってすごく怖いと思っています。それは民主主義のためにはあってはいけないこと」とコメントしている。

 念のため言っておくと、本サイトは石破茂の政策にシンパシーは微塵も感じていない。1ミリもだ。それでも、この発言は、民主主義国家の政治家として至極当たり前だろう。ところが、産経はそれすら石破叩きの材料にしてしまった。

 “安倍首相に最も近い記者”のひとりである阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員が23日付のコラムのなかで、〈まるで産経が権力の代弁人だと言わんばかりだが、いったい何の根拠があってどの部分がそうだというのか甚だ疑問だった〉と噛み付き、〈不都合な真実を指摘されて報道のせいにするようでは、鼎の軽重が問われる〉〈現に、最近の石破氏の言動をめぐっては、党内にも疑問の声が多い〉などとまくし立てたのである。

 産経新聞が安倍首相の「代弁人」的な記事を濫造していることは、本サイトで数えきれないほど具体的に指摘してきたので繰り返さないが、それにしたって過剰反応というか、反転して石破叩きを欠かさない阿比留記者の姿勢には恐れ入るとしか言いようがない。

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