いや、このエゴイストっぷりをみると、本当にこの国の現総理はサイコパスなのかもしれない。共産党の志位和夫委員長との討論でもそうだった。
志位委員長は森友・加計問題にまつわる改ざん・隠蔽・虚偽答弁等について「なぜあなたの政権でこのような悪質な行為が引き起こされたのか、その理由を端的にお答えください」と質したのだが、安倍首相は「李下に冠をたださずという気持ち」などと言うだけ。志位委員長は悪質行為が引き起こされた理由についての首相の認識を問うているのに、それには一切応じず、ただ「私はあずかり知らない」「答えようがない」など逃げ一辺倒の答弁を繰り返すだけなのだ。「話が通じない人」とは、まさにこういう人のことを言うのだろう。
そして極め付きが、立憲民主党の枝野幸男代表との討論でのことだ。枝野代表はまず消費増税、参院の議員定数を増加する自民党案、二階俊博幹事長の「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考えて」発言と、複数の議題をあげた。そのうえで最後に、「安倍政権の問題点を7つ列挙したい」として森友・加計学園に関する問題を指摘しながら、沖縄での米軍機F-15墜落をめぐる答弁矛盾について問いただした。
これを受けた安倍首相は、「時間がありませんから最後の一問について」としてF-15墜落問題についてデタラメ答弁したうえ、最後にこう言い放ったのである。
「私はですね、枝野さんの質問というか演説で感じたんですが、先般、党首討論が終わったあと、枝野さんはですね『党首討論の歴史的な使命は終わった』とそうおっしゃった。まさにいまのやりとりを聞いていて、本当に歴史的な使命が終わってしまったなあと、このように思った次第でございます」
これは、前回5月の党首討論で、枝野代表の持ち時間16分のうち、安倍首相が12分間もダラダラと答弁して時間を潰したことについて、終了後、党首討論制度の改善を持論とする枝野氏が記者団に「いまの党首討論制度はほとんど歴史的意味は終えた」と苦言を呈したことに対する首相の意趣返しだが、いや、これまた「お前が言うな」である。