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米朝首脳会談前日にフジ『プライムニュース』と反町キャスターが「開催中止」を示唆する勇み足

 さらに、番組では17時すぎ、またもや現地から反町氏が「新たな情報」として、「日本時間6時に米朝実務者協議の結果を受けたホワイトハウスのブリーフィングが行われる予定だったが、それが急遽ポンペオ国務長官による会見に変わりました」と速報。そして、こんなふうに続けたのである。

「これをどのように受け止めるのか。大きな進展があったので記者会見というかたちで発表するという見方もありますし、ある意味うまくいっていないなかで、さらに交渉を促進する、ないしは、最悪の場合はここで打ち切るという発表があるのかどうか。これは僕にもなんともわかりません」

 この反町氏によるコメントを受け、東京のスタジオでも、鴨下ひろみ解説委員が「いまの段階で予断は許さないんですけど、なんらかの進展があったのか、もしくは逆の意味での重大な発表があるのか、非常に注目されるところ」と同調した。

 さらに17時50分ごろには、番組は「日米首脳が電話会談」と速報を打ち、再びシンガポールの反町氏へ。反町氏はポンペオ国務長官の会見の時間が30分遅くなっていると伝えたうえで、今度はこんな話を披露し始めたのである。

「その背景について憶測が飛んでいるんですけど、日本の外交関係者に言わせると、『よほど良いか、よほど悪いか、どちらかの結果が出たに違いない』という見方。別の外交関係者は、『トランプ大統領の性格からいって、良い話だったら自分で言うだろう、それをポンペオ国務長官に言わせるということは、良い話ではないのではないか』という見方も。日朝外交関係筋からは、『かつてトランプは予備交渉の段階で一回キャンセルしてきたではないか、その意味ではギリギリ瀬戸際におけるトランプ流の交渉術かもしれない』。情報が錯綜しています」

 いや、「情報が錯綜」と言ってはいるが、反町氏が紹介した「関係者の話」はもっぱら「中止」を匂わせるものばかりではないか。しかも、続けて反町氏は「開催に暗雲がただよい始めている今日のシンガポール」とダメ押しまでした。すると、その後の番組テロップでは「急展開?反町生報告」「米国務長官が会見へ」「速報 間もなく安倍首相が会見へ」と煽りを連発。反町氏から水を向けられた藤田記者も「おそらく大きな発表が何かしらあるということだと思う」と発言するなど、もはや“中止発表秒読み”という雰囲気になっていった。

 ところが、だ。周知の通り、蓋を開ければ、ポンペオ国務長官の会見も、安倍首相の会見も「米朝会談は中止」とかでは全然なかった。というか逆で、トランプ大統領の「しっかりと二人で話をしたい」という言葉を公表するなど、会談への意気込みを感じさせるものだったのである。

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