いずれにせよ、懲戒理由の文言が同一であることを鑑みても、「余命」ブログに煽動されたネトウヨたちが今回の事案を引き起こしたとみて疑いない。しかも、この集団懲戒請求が恐ろしいのは、攻撃対象が朝鮮人学校の問題に関わる弁護士だけにとどまらないことだ。
実は、今回、提訴の会見を開いた佐々木弁護士は日弁連や東京弁護士会の役職にもついていないし、朝鮮人学校補助金支給要求声明にもまったく関わっていない。佐々木弁護士によると、「唯一心当たりがあるのが、青林堂の元社員がパワハラを受けたという労働事件をやっていること」だという。青林堂は前述のように、「余命三年時事日記」の書籍化をはじめネトウヨ本・ヘイト本を多数出版しているが、その青林堂のパワハラ事件で佐々木弁護士は労働者側の代理人を務めている。そのことで「(ネトウヨ界隈の)恨みを買ったのかなというのが、唯一の心当たり」という。
北弁護士も同様だ。昨年9月、〈根拠のない懲戒請求は本当にひどい〉などと佐々木弁護士を支援するツイートをしたところ、今年3月29日に、佐々木弁護士と北弁護士に、約960件の懲戒請求がなされたという。懲戒理由は、佐々木弁護士が過去に投稿した〈ネット右翼の諸君は相変わらずだなぁ。無邪気に私に懲戒請求してるのも900人くらいるけど、落とし前はつけてもらうからね。(^ー^)ー☆〉というツイートをコピペしたもので、それ以外に理由は付されていなかったという。
レイシズムの拡散のために弁護士の集団懲戒請求をするというだけでも大問題だが、つまるところ連中は、妄想を膨らませながら不特定多数を“敵”と認定し、懲戒請求をおこなっているのだ。
なお、佐々木弁護士が会見で明かしたところによれば、大量の懲戒請求が続いた昨年9月、これはおかしいと思ってTwitterで意見を述べていたなか、懲戒請求者の一人と思しき者から封筒が届いたという。そこには「懲戒請求者は9000000000名ですからね」と書かれていた。世界の総人口は70数億人である。封筒のなかには「外患誘致」と書かれた紙片だけが入っていたという。
実は、この「外患誘致」というのも「余命」ブログのキーワードだ。