小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

哀れ! 南北会談で安倍首相が「蚊帳の外じゃない」と強弁してまわるが、トランプにも北朝鮮にもいいようにあしらわれ

首相官邸ホームページより

 どこまで恥を晒したら気が済むのだろう。昨日付の産経新聞が安倍首相の独占インタビューを掲載したのだが、またも安倍首相は「蚊帳の外なんかじゃない!」と強弁した。

 まずは、その“釈明”を紹介しよう。

「昨秋の衆院選で、北朝鮮に対して圧力を最大限まで高めていくと申し上げました。「圧力だけかけてもしょうがないじゃないか。まず話し合え」との声もありましたが、まず国際社会がしっかりと連携して「テーブル上にあらゆる選択肢がある」という米国の姿勢を支持する中で、北朝鮮から話し合いを求めてくる状況を作らねばならないと私は主張しました。
 洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」にも「抜け道は許さない」という姿勢で国際社会と協調し、日本も役割を果たしてきた。その結果として平昌五輪を契機に北朝鮮が話し合いを求めてきた。
 まさに日本が国際社会をリードしてきた成果ではないですか。決して日本が蚊帳の外に置かれていることはありません」

 まったくよく言うよ、という話である。たとえば昨年9月、北朝鮮情勢の緊張を緩和するため平和的手段での解決を呼びかけた各国首脳を尻目に、米ニューヨークの国連総会での演説で安倍首相は「私の討論はただ一点、北朝鮮に関して集中せざるをえません」と宣言すると、持ち時間のほとんどを北朝鮮への非難に費やし、「対話とは北朝鮮にとってわれわれを欺き、時間をかせぐため、むしろ最良の手段だった」「必要なのは対話ではない。圧力なのです」と何度も強調。

 その上、安倍首相も「契機」と認める平昌五輪に際しておこなわれた日韓首脳会談では、文在寅大統領に「米韓合同軍事演習を予定通り進めることが重要だ」と言い出して融和ムードへ冷や水を浴びせかけ、五輪開催中の日米電話会談後には「北朝鮮に最大限の圧力をかけつづけていく点で完全に一致した」などと発言。さらに、韓国が南北首脳会談実現に向けて動くと、外務省を通じて韓国に「まだ時期が早い」「思いとどまるべき」だと、再三にわたって圧力をかけつづけた。

 3月6日、韓国大統領府が文大統領と金正恩委員長の南北首脳会談合意を発表したときも、菅義偉官房長官や河野太郎外相、小野寺五典防衛相らは合意について非難するコメントを発し、安倍首相も国会で「圧力を最大限に高める」と言い放った。

 しかし、わずか数日後の3月9日に米国のトランプ大統領が北朝鮮の金正恩委員長と首脳会談を開く意向を表明。金委員長が親書で「非核化」の意志を表明していることも明らかになる。実際は5日の段階ですでに、北朝鮮は米朝首脳会談や非核化の意志も表明し、平和的解決への流れが決定的になっていたのだが、日本だけがこの動きを知らず、圧力をがなり立てていたのである。完全に“蚊帳の外”だったことが明らかになり、安倍首相は世界にとんだ赤っ恥をさらしたのだった。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。