いずれにしても、NHKは第一報を報じる4月25日夕方よりかなり前に、この事件を知りながら、被害者の訴えを放置していたことは間違いない。
いや、それどころではない。NHKはこの事件が起きる前から、山口の行状を把握していた可能性もある。
というのも、『Rの番組』をめぐって、山口はほかにも同様の事件を起こしていたという話があるからだ。
たとえば、そのひとつが、事件後ネットで話題になった「実話ナックルズ」(ミリオン出版)が報じた1件だ。
2月28日発売の「実話ナックルズ」2018年4月号によると、〈日本人なら多くの方が知っているであろう、朝の人気情報番組『ZIP!』に出演するメンバーZ〉がレギュラーを務める〈様々なジャンルの若手芸能人が多数出演している〉人気番組の舞台裏で、Zが共演者である女子高生アイドルに手を出しトラブルになったという。
Zはある女子高生を気に入り、〈楽屋で連絡先を交換し、プライベートでも交流を持つようになって〉、Zのマンションに彼女を招き入れたのだという。しかしそれが関係者の知るところとなり、〈Zさんがトラブルを起こした直後くらいに、何の前触れもなくレギュラーだった当時17歳のJKアイドルが、発表もなく降板〉してしまったのだという。
『ZIP!』に出演する男性芸能人のなかで、若手芸能人が多数出演する番組のレギュラーをもっているのは山口しかいないため、Zは山口を、番組はNHK・Eテレの『Rの法則』を指していると思われる。
ただし、「ナックルズ」に掲載されているトラブルは、現在はすでに離婚している山口にパートナーがいた頃の話であり、そのほかに事件の詳細についても明らかに異なる点も多々あることから、今回の事件とはまったく別のトラブルだ。
これが事実なら、山口は以前にも、未成年の共演者にわいせつ的な行為をおこなっていたケースがあるということになる。
この「実話ナックルズ」は今回の事件発覚前の取材と報道によるものだが、今回の事件が発覚した後、複数のメディアが「以前から山口が『Rの法則』の出演者にセクハラやわいせつ行為を働いていた」という情報を書き立てている。
今回は被害女性と両親が毅然と声をあげたことから事件が公になったが、これまで山口から被害に遭いながら泣き寝入りしている女性がいる可能性は高い。ジャニーズ事務所やTOKIO山口達也がもっている芸能界における力を考えると、今後も芸能界に残りたいと考えるのであれば、少女から被害を言い出すことはかなり難しいからだ。
いずれにしても、「実話ナックルズ」編集部にまでこの手の話が漏れているのに、直接山口とやり取りをするジャニーズ事務所や、その現場にいた『Rの法則』のスタッフがこのような事情をまったく関知していなかったとは考えにくい。