TOKIO山口達也の強制わいせつ事件が、連日大々的に報じられている。ジャニーズタレントとはいえ、未成年への強制わいせつという重大性もあり山口には厳しい批判がなされている。しかし一方で、相変わらずの忖度でジャニーズ事務所の責任について追及するような動きは大手マスコミではまったく見られない。
本サイトでは先日指摘したが、山口が会見で説明したところによれば、ジャニーズ事務所は4月頭にはこの事件を把握していたにもかかわらず、25日まで1カ月近くもその事実を公表することなく隠蔽。20日の書類送検後ですら、そしらぬ顔で山口をテレビ出演させ続けてきた。今回の山口の事件の背景には、こうしたジャニーズ事務所の隠蔽体質と女性蔑視体質という構造的な問題もある。しかし、大手マスコミはジャニーズの問題をまったく指摘せず、もっぱら山口を個人攻撃するだけだ。
そして、ジャニーズ事務所ともうひとつ問われるべきなのは、NHKの問題だろう。今回の事件は、4月25日夕方NHKの第一報により明るみになった。しかし、山口と被害女性はNHK・Eテレの『Rの法則』を通じて知り合っており、NHKは第一報よりかなり前から事件を把握していた可能性が高い。にもかかわらず、NHKはジャニーズへの忖度から隠蔽に加担していたのではないかという問題だ。
それを裏付ける情報も出てきた。被害女性の両親は事件のあった12日に、警察に被害届を出すとともにNHKにも関係者を通じ抗議していたというのだ。これは、27日放送の『バイキング』(フジテレビ)が報じたものだが、フジテレビがNHKに対し事実関係を問い合わせたところ、「聞いていない」「そうした問題は、一義的に警察に届ける問題」という回答だったというこの曖昧な回答を聞くかぎり、それに類することがあった可能性は高い。
また、少女側が直接、NHKに抗議していなかったとしても、警察に被害届を出したのだから、NHKの番組関係者には、警察が問い合わせや事情聴取を入れているはずだろう。