2015年3月15日のシンポジウムでの和田政宗氏と安倍昭恵夫人(撮影・横田一)
「安倍政権をおとしめるためか」などと太田充理財局長を詰問して批判が噴出、“議事録削除議員”としてメデイア露出度が急上昇をした和田政宗参院議員(自民党広報副本部長)。野党はもちろん自民党内からも「レベルの低い質問。軽蔑する」(麻生太郎財務大臣)と呆れられたが、それでも「森友問題『メディアリンチ』と私は断固戦う」(6日付産経新聞)と元気一杯だ。
しかし3月25日の自民党大会で筆者が直撃質問をした時の和田氏は、産経の記事が醸し出す”戦う国会議員”のイメージとは程遠かった。「森友は家庭内与野党一致の"晋三案件"ではないか」などの問いに対して「ジャーナリスト以外には答えない」とトランプ大統領並みの差別的メディア対応で取材拒否。面と向かって答えない代わりに、翌26日の自身ツイッターで「(筆者に)つきまとわれた」と被害妄想に凝り固まった事実歪曲の“フェイク発信”をしたからだ。
〈昨日、横田一というフリージャーナリストを名乗る人物に、ホテル内で約500mにわたり大声を発しながらつきまとわれ、何かされるのではないかと恐怖を感じた。「昭恵夫人と谷氏と和田が一緒に写っている写真を出すぞ」と脅す口調で言われたが、防潮堤見直しの時に一緒に撮ったものなので「別にどうぞ」と〉
正直言って唖然とした。NHK出身で自民党広報副本部長を務める国会議員とは思えない事実歪曲のオンパレードだったからだ。「ほとんど面識のない国会議員に大声でつきまとい、写真をネタに恫喝をする強面記者」という場面が思い浮かぶが、実際は全く違う。自民党大会後に出席議員への囲み取材が行われている廊下で顔見知りで時の人にもなった和田氏を見かけたのでまず写真撮影をした後、「お久しぶりです」と挨拶する平穏な雰囲気でから囲み取材(約4分間)からスタートしていたのだ。“フェイクツイッタ―”が描き出す「自称フリージャーナリストがいきなり写真をネタに恫喝的口調で国会議員に難癖をつけてきた」という状況は、和田氏が現実を歪曲して捏造した妄想、攻撃だ。
筆者が和田氏と知り合ったのは、極端な言動でメディア露出度が急上昇する遥か以前、昭恵夫人が防潮堤見直しについて訴え始めた頃のことだ。昭恵夫人は2013年10月31日、衆院第一議員会館で被災地の巨大防潮堤建設を検証する集会「東北の美しい未来を考えるフォーラム」で挨拶。そして「本当に防潮堤を作っていいのだろうか」などと問題提起をした場に、和田氏ら国会議員も駆け付けていたのだ。
「家庭内野党」として防潮堤見直しを訴える昭恵夫人を追いかけていたら、同じ見直し派の和田氏もいたので知り合いになり、「『写真を出すぞ』と脅す口調で言われた」と和田氏が描写した昭恵夫人と谷査恵子総理夫人付(当時)とのスリーショット写真も、追っかけ取材の中で撮影したものである。仙台で「国連防災世界会議」が開かれていた2015年3月15日、その関連集会の防潮堤見直しシンポジウムに3人が参加している様子を撮ったのだ。