それにしても、たけしはなぜ、こんなことになってしまったのか。以前のたけしなら、金のことでこんなセコいことを言うはずがない。軍団は、森社長がたけしにこれまで必要書類を見せていなかったことを告発しているが、これまでのたけしは、そういった書類をいくら見せようとしても見向きもしなかった。そのことは、軍団が一番よく知っているはずだ。
ところが、そのたけしがいきなり細かい金のことでクレームをつけ出し、愛人と独立して功労者である森社長や軍団を切り捨てた。あげくその切り捨てたはずの軍団を使って森社長を攻撃させている。この様子を見ていると、やはり報道されている愛人の影響、マインドコントロールを疑わずにはいられない。
一方、攻撃を受けた森社長は今後、どう出るのか。本日発売の「週刊新潮」(新潮社)に、こうしたたけしサイドの攻撃に対する森社長の反論が掲載された。しかし、その内容は最低限の自分の名誉に関わることへの反論のみで、たけしの愛人の存在などは一切語っていない。また、前述した東通がなぜ、筆頭株主になっていて、それを買わざるを得なかったのかというたけしが抱える最大のタブーにも一切触れていない。
それはいまも、おそらくたけしに愛情がある森社長が、たけしに決定的なダメージを与えたくないという配慮があるからだろう。だが、このままたけしサイドの攻撃が続けば、もしかしたら森社長自身が反撃のためにたけしの最大のタブーに踏み込む可能性も出てくるかもしれない。ほかにも、暴力団との交遊など、さまざまな裏側を知っている森社長がスキャンダルを暴露する、あるいは、「週刊新潮」でたけしと軍団に軟禁、恫喝されて、株の譲渡を約束してしまったと主張している森社長が、たけしと軍団を法的に訴える可能性だってある。
そういうことを考えると、たけし軍団もたけしの命令のままに森社長を攻撃している場合ではないだろう。本当に師匠愛があるなら、むしろ愛人に狂って晩節を汚しまくるたけしを羽交い締めにしてでも止めるべきではないのか。
(田部祥太)
最終更新:2018.04.05 09:09