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逝去した作家・内田康夫が安倍の改憲路線を真っ向批判!「集団的自衛権容認は間違ってる」「憲法は押し付けられたものじゃない」

 こうした発言の背景には、内田氏の戦争体験がある。内田氏は1934年に東京都北区で生まれている。小学校に入学するころに太平洋戦争が始まり、卒業するころに敗戦を迎えた世代だが、同学年には大橋巨泉や愛川欽也などによる「昭和九年会」のメンバーがおり、彼はその世代の特徴を「週刊文春」(文藝春秋)2011年4月14日号のインタビューで「日本は勝つと疑わなかったし、大きくなったら兵隊さんになるものだと信じていたのに、負けた途端にアメリカが偉くて日本は悪いということになって。すべての価値観がひっくり返ったわけです。だから、まず世の中や人間を信用しない」と語っている。

 内田氏の父は自宅と同じ敷地に建てられた診療所で町医者をしていたが、東京大空襲により、家はもちろん、医療器具のたくさんある診療所もろとも全焼してしまったという。そのときの思い出を前掲「週刊文春」で内田氏は「自宅は全焼していました。真っ白な灰が積もって、一面が焼け野原になっていた。そこに佇んでいた父の虚無的な笑顔が忘れられません」と語る。

 晩年の彼が、戦争へ向かおうとする社会へ警鐘を鳴らし続けた背景に、このような戦時体験は大きな影響を与えているだろう。

 現在の政権は70年以上前に得たはずの教訓を活かそうともせず、再び同じ過ちを繰り返そうとしている。その最中、このような先人の言葉はとても重いものとして響く。内田氏が残してくれた言葉を胸に刻みながら、ご冥福を祈りたい。

最終更新:2018.03.23 07:44

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