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ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第9号 

美容師のブラック労働が過酷すぎ!平日定休日に休むのが有休!? 週6日・朝9時〜夜8時まで働いても残業代ゼロ!?

「有休与えてますよ!週に1回!」
「36協定って何ですか。そんなのありませんよ。」

 予想の斜め上どころではない。二次元の話をしていたと思ったらここは四次元だった、みたいな話である。

 依頼者は20代女性美容師。12月に連勤の末、最終日に転んで腕を骨折したところ、勤めていた美容室から「もう来なくていい」と言われ、「自己都合退職で間違いない」という内容の書面に署名捺印させられ、事実上の解雇を撤回することを求めるも美容室からは一顧だにされず、どうしたらいいのか分からない、という状況で相談に来られた。

 開店時間は午前9時、ラストオーダー時間は午後7時で、閉店時間は午後8時というその美容室。週に1回火曜日が定休日で、それ以外の日はすべての美容師が基本的に毎日出勤だった。

 また、美容室に特有の問題として、アシスタントの練習時間というものがあった。美容師には、学校を卒業したての新米美容師、アシスタントの時期と、自分で顧客の髪をデザインしたり切ったりするスタイリストの段階がある。アシスタントのうちは、先輩スタイリストの顧客について、シャンプーしたり、ドライヤーで髪を乾かしたり……といった補助の作業を行い、数年の修行を経て、スタイリストになる。

 修行の期間中、閉店後にマネキンや同僚の髪の毛を使って、シャンプーの技術やカット、パーマなどの技術練習を行うのも普通なのだそうだ。国家試験を合格したからといって、技術やセンスが最初からあるわけではないから、それはそれでやむを得ないことだ、と彼女は語った。これが労働時間にあたるか、という別の問題はさておき、依頼者はもうスタイリストだったので、閉店後はもっぱら後輩の指導にあたっており、これは業務命令だった。

 また、この会社のブラックなところは、いわゆる「お休み」が全くない、というところにもあった。まず、休憩時間がない。休憩スペースは机もない冷暖房もないロッカールーム。顧客がいない時間帯に休むことも許されない。そして、休暇がとれない。「取らせてるでしょ!」と代表者の妻に言われたらしいが、依頼者は有給休暇をとれた記憶がないのだと言う。

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