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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」30

小泉進次郎も加担した名護市長選の“フェイク演説”を検証 日ハムキャンプ問題や経済停滞も大嘘だった!

 しかし地元記者は、これを「フェイク演説だ」と断言し、こんな説明をしてくれた。

「稲嶺進市長の前任者で基地容認の島袋吉和市政が、老朽化した市営球場を放置したのが諸悪の根源です。スピード感をもって対応しなかった島袋市政の“負の遺産”を稲嶺市長が引き継ぎ、球場建て替えを具体化した。そして新球場完成までの間はキャンプの前半をアリゾナ、後半を名護市と国頭村で行うことになりました。暫定キャンプ地としてアリゾナを選んだのも、国内だと地元から引き止められて名護に戻り辛くなることを避けるためです。だから『丸ごとアリゾナの方に行ってしまった』わけでもないし、『戻ってくるのか分からない』というのも事実誤認で名護に戻ることは既定路線だった。日ハム関係者が稲嶺市長に感謝の弁を述べるなど両者の関係は良好なのです」

 日ハムに問い合わせれば、すぐにフェイクニュースと分かるようなデマ情報を進次郎氏も山本氏も鵜呑みにして“フェイク演説”をしたのだ。しかも基地容認の島袋市政時代(2006年1月から10年1月)こそが問題だったことは、過去記事の検索ですぐに確認できた。2016年2月18日付の夕刊フジには「(老朽化した球場について)球団では10年以上前から改善を求め」とあり、06年1月には問題が顕在化していたことが確認できた。真っ先に責任追及すべきなのは、自民党が支援した島袋元市長だったのだ。

 しかし山本氏は「稲嶺市長は国と対立しているから球場建て替えの補助率が5割と低く、市民負担が増えた」とも批判したが、一方、国と良好な関係の基地容認の島袋市長が高補助率で球場建替をしなかった“不都合な真実”は紹介しなかった。判断が遅れた島袋元市長は免責し、職務怠慢の後始末をした稲嶺前市長に全責任を押し付けたともいえる。

「フェイク演説」は他にもある。山本氏は渡具知氏の隣でこうも訴えていた。

「沖縄は未曾有の経済好況を謳歌しています。全国で一番経済が元気なのは、沖縄なのです。那覇も浦添もうるまもとっても元気なのです。その未曾有の好調を呈しているはずの沖縄。名護はどうでしょうか。これだけ美しい自然があって、これだけの観光資源があって、名護市民は市民生活が良くなったといえるのでしょうか。大変申し訳ありませんが、経済のデータを見たときに、沖縄の未曾有の経済活性化の流れに、名護は乗り遅れていると言わざるを得ません」
「名護が取り残されているからなのです」「沖縄11市の経済成長率は平均11.4%なのです。名護は9.4%なのです。市長のアンチ・ビジネス的な政策がこういう経済停滞を招いていることをはっきりと申し上げていきたいと思います」

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