沖縄ヘリ事故に関する野党合同視察時の翁長雄志沖縄県知事(撮影・横田一)
沖縄で相次ぐ米軍ヘリ事故問題が安倍政権を直撃した。1月21日投開票の南城市長選で、社民、共産、社大、自由、民進が推薦する新人の瑞慶覧長敏氏(元民主党衆院議員)が、自民、公明、維新推薦で現職の古謝景春氏を抑えて初当選したからだ。
南城市長選は「翁長雄志県知事らオール沖縄VS安倍政権」の“代理戦争”初戦と位置付けられた選挙だ。そのため石破茂・元防衛大臣ら自民党大物議員が応援に駆けつけたが、結果は65票の僅差で古謝氏が敗退。“オール沖縄”が弾みをつけた形となった。翁長県政が始まって以降、オール沖縄支援候補は市長選で連敗を重ねてきたが、その流れが止まった瞬間だった。その理由を地元記者はこう分析している。
「南城市は保守系が強い地盤で米軍基地もないため、ヘリ事故の影響が及ぶ可能性は低いとみていたが、大物国会議員を投入しての自公推薦候補敗北は、米軍ヘリ事故と弱腰の安倍政権への反発が想定以上であったことを示すものです」
選挙結果について翁長知事が「勇気が湧いてくる」とコメントしたが、この勝利は2月に控える名護市長選にも大きな影響を与えるだろう。名護市長選は菅義偉官房長官と二階俊博幹事長が年末年始にテコ入れのため訪沖しているが、今回の南城での勝利は安倍政権の出鼻を挫く形となった。