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橋下徹がリツイートしただけの岩上安身を名誉毀損で見せしめ提訴! 松井府知事の新潟県知事“誤読”提訴に続きスラップ攻撃

左・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより/右・松井一郎オフィシャルホームページより


 このところの日本維新の会の“恫喝体質”は、以前にもまして目に余るものがある。そのひとつが、維新の生みの親である橋下徹・前大阪市長が、インターネット報道メディア「IWJ」代表のジャーナリスト・岩上安身氏を名誉毀損で提訴した件だ。

 橋下前市長は昨年12月、岩上氏がTwitter上で第三者によるツイートをリツイート(RT)したことで名誉が傷つけられたとして、岩上氏に100万円の損害賠償等を請求する訴えを大阪簡易裁判所に起こした。橋下氏は自身のTwitterで、〈彼がリツイートした内容は「橋下が府の幹部を自殺に追い込んだ」という完全な虚偽事実〉(17年1月22日)などと主張しながら、岩上氏への個人攻撃を連投している。

 一方の岩上氏は22日午後、東京の自由報道協会で会見を開いた。岩上氏によれば、橋下氏が損害賠償を請求しているツイートは昨年10年28日に第三者が投稿したもの。同29日、岩上氏は自身のコメントをまったくつけない形でRTした後、「すぐに削除」したという。ところが、それから約1カ月半後の同年12月15日、突然、岩上氏の元に橋下氏側から訴状が届く。岩上氏は「(訴状まで)橋下さんはまったくこの件に対して、ウンともスンとも言ってこなかった」と言い、実際、提訴前にメールや手紙などの抗議や、内容証明の送付もなかったという。

 会見のなかで岩上氏側は、裁判上の理由からRTの中身については「橋下氏の大阪府知事時代の職場環境形成について批判を述べた意見表明」(岩上氏の代理人弁護士)と述べるにとどめたが、同時に、RTは不法行為にあたらず、「仮に表現内容が名誉毀損に当たるとしても、原告が訴えるべきなのは元の投稿者であり、RTしただけの被告に名誉毀損は成立しない」などと主張。橋下氏側の提訴は「訴権の濫用」だと反論した。また、裁判ではRT内容の真実性ないしは真実相当性を主張立証する予定としている。

 たしかに、ネット上での発言内容が裁判沙汰になることは珍しくない。だが、今回の橋下氏の提訴には、常識的に考えても異様な点があまりにも多すぎる。岩上氏も会見のなかで、こう強く疑義を呈した。

「(私が)リツイートを消している状態から、内容証明というものすら送ってこないで、いきなり訴状を突きつける。これは常軌を逸しているとしか言いようがないと思います。ようするに“沈黙”のなかで行われたんですね。私は、これがもし判決が(原告勝訴で)確定するようなことがあったら、大変な社会的影響があるのではないかと思います」

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