しかし、忘れてはいけないのは、この男を国税庁長官に押し上げた人物は安倍首相であり、安倍政権下では「不都合な事実」は徹底的に国民の目に届かないシステムが築き上げられていくだろうということだ。
安倍首相は森友学園問題の会計検査院の報告に対し、他人事のように一切の責任をとらない一方で、行政の公文書管理については「国民の信頼を一層高いものにする」と明言。昨日の施政方針演説でも「公文書管理の透明性を高める」と述べた。だが、実際は、財務省では公用電子メールが送受信から60日で自動廃棄していることが毎日新聞の取材によって発覚。しかも、昨年5月に国会で野党議員から見直しを迫られたあとも廃棄をつづけていた、というのである。
60日で自動破棄されるなど一般社会でも仕事に支障が出るとんでもないシステムだが、森友問題であれだけ文書の管理について問われた財務省がこの姿勢とは一体どういうことなのか。関係者は「サーバーの容量に限りがある」と答えているが、そんなものは容量増設すればいいだけの話。これでは「公文書管理の透明性」というよりも「不透明さの向上」を目指しているようにしか見えない。
もちろん、公文書管理についても追及がおこなわれるべき問題だが、ともかくまずは佐川長官に虚偽答弁の責任をとってもらおうではないか。今国会への佐川氏の招致は、絶対におこなわれなくてはならない必須事項だ。
(編集部)
最終更新:2018.01.23 10:16