小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

リテラの新年特別企画

村本大輔、マツコ、水道橋博士、水原希子…炎上に負けず政権批判や反差別を貫いた芸能人「よく言った大賞」

★7位 佐野元春
知性派ロックミュージシャンが表明した共謀罪批判と安倍・トランプ批判!

 若手ロックバンドのミュージシャンが政治的なイシューに対して口をつむぐ一方で、積極的に問題意識を発し続けたのが佐野元春だ。
 彼は、共謀罪の成立を危惧。5月17日には、フェイスブックに〈政府が進めている「共謀罪」に危険なシルシが見える〉というフレーズから始まる詩を投稿した。
 そのなかで彼は共謀罪について〈戦前の治安維持法と似ている〉と指摘。そして、スーザン・ソンタグによる「社会においても個々人の生活においても、もっとも強力で深層にひそむ検閲、それは自己検閲」という警句を引用して、共謀罪の成立によりアーティストたちが自分の表現に自主規制をかける兆候が出ることを危惧した。
 結果的に共謀罪は強行採決されたわけだが、それでも彼は自分の言葉に「自己検閲」という名のストッパーをかけることはなかった。
 10月には、広島市内で行われたイベントの壇上にて、ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)に安倍首相が言及しない状況を「もし核廃絶という目標を本気で持っているならば、日本のリーダーがお祝いのコメントを発信してほしい」と語った。
 また同月には、「こだま-アメリカの友人、日本の友人に」という楽曲を発表。スポークンワード形式のこの楽曲では、〈誰がリーダーだろうと気にしない/気にするのは/リーダーに翻弄された人々/巻き込まれ、分断され、差別され/時に、人と人が殺しあうゲームに参加してしまう〉と朗読。人々の対立を煽る日米のリーダーを批判した。
 こういった気骨あるミュージシャンが若手からも出てくると良いのだが……。

★6位 星田英利(元ほっしゃん。)
ネトウヨからの「反日芸人」攻撃にも屈せず安倍政権への怒りをツイートし続ける反骨芸人

 前述したように、弱者を叩き権力者に媚びへつらう芸人ばかりが幅を利かす状況のなかで、異色の存在が、星田英利(元ほっしゃん。)だ。星田はツイッターを駆使して、安倍政権の原発政策や戦争加担、言論への圧力などについて徹底批判を繰り返している。
 その結果、ネトウヨに「反日芸人」よばわりの攻撃を受け、頻繁に炎上。それとともにテレビでもその姿を見ることが少なくなっていったが、それでも星田はいまもまったくスタンスを変えていない。
 先日も、安倍首相とトランプ大統領の北朝鮮への対応を疑問視。「戦争に行かされるのは国民。戦争をさせる人を絶対に許してはならないと思います」と怒りをあらわにした。
 大阪民主新報17年10月22日号のインタビューで「選挙権を取って26年、いろんな政権を見てきましたが、今の政権にはこれまで感じたことのない違和感を覚えます。いろんなことに説明責任を果たしていない」と語っていたが、その発言はけっして党派的なものから出ているわけではない。
 普通の生活者として、安倍政権に対しておぼえた怒りをストレートに言葉にしているだけなのだ。そしてだからこそ、彼の言葉には、素朴ながら説得力がある。
 星田のツイッターアカウントを見ると、固定ツイートとして一番上に〈大人たちがみんな常に"モノ言える人 "でいないと、今の子供たちの将来にモノ言える世の中をプレゼントできへんと思うよ〉という文が掲げられている。こういう人こそワイドショーのコメンテーターをやってほしいのだが……。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。