開口一番に『報道特注』って……。これだけでも行くところまで行ってしまったハイレベルなネトウヨみたいだが、続いて安倍首相は「(『報道特注』を)見ました。うちの女房が見せてくれてね」。これにスタジオは大盛り上がりで、平議員が「もし総理、よかったら『報道特注』出てもらって」と言いだし、生田氏も「ありがとうございます!」と渇望。すると安倍首相は笑いながら、画面外を指差して、こう言うのだ。
「ちょっと、ちょっと秘書官がね、難しい顔するんです(笑)」
ちなみに、この秘書官とは片腕中の片腕である今井尚哉首相秘書官のことらしいが、さすがに『報道特注』のような極度のネトウヨ番組には出る気はないということか……と思いきや、そういうわけではなかった。平議員らが「(今井秘書官が)首を横に振ってますよ!」などとガヤガヤ言うのを静止するように、安倍首相はこう声を張り上げたのである。
「私は、私は、私は! 『報道特注』出たいんだけど!(でも今井が)ちょっととか言ってね(笑)」
ようするに、やっぱり安倍首相自身は『報道特注』に出演したくしたくてたらまらないらしいのだ。
もちろん、安倍首相がネトウヨ気質であることはよく知っていたつもりだが、ここまでとは恐れ入る。
繰り返すが、あの『報道特注』である。念のため過去の放送での発言を取り上げておくと、こんな感じだ。
足立議員「蓮舫さんがね、日本人じゃないとは言わないけど、日本人じゃないと思うんだけど(笑)。彼女たちの言ってる言動の中身は、あたかもね、外国政府の言っていることとほぼ符号してますからね」
和田議員「(沖縄の基地反対派の)テントに行くと、辺野古のところは辺野古の人ひとりもいないですからね!」
他にも、「蓮舫は戸籍を見せろ」とか「辻元生コン祭り」とか「加計問題はマスコミの偏向」とか、そういう紹介する価値すらないヘイトやデマ、陰謀論を毎回飽きずに垂れ流している。
誹謗中傷やセクハラ発言も全開だ。たとえば、テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』について「田原総一朗ってやばくね? 入れ歯フガフガしてる」(生田)、「まあ(三浦)瑠麗ちゃんはカワイイからいいですよ」(足立)、「アレ(=三浦瑠麗)も育てていかなきゃいけない」(和田)とか、笑いながら散々下品なミソジニー的言辞を連発していた。
そして、きわめつきは、冒頭で紹介したように、レイプ問題の渦中にありながら、開き直り、卑劣なセカンドレイプ発言を連発している御用ジャーナリスト・山口敬之氏をいち早く復帰させたことだ。
こんな番組に一国の首相が出演を熱望しているとは、全く世も末ではないか。