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今度は麻生財相の「武装難民は射殺」発言を肯定する閣議決定! トンデモ閣議決定を乱発する安倍政権の異常

 しかも問題は、安倍政権は答弁書の閣議決定を「自己正当化」のために使っていることだ。

 たとえば、今年5月に安倍首相が閣議において改憲実現を目標2020年と発言したことを、答弁書では“自民党総裁としてのもので、首相の職務として行われたものではない”とした。このような自分勝手な立場の使い分けで言い逃れできるものではないが、今後もこの閣議決定が利用されていくのは間違いない。

 さらに絶句したのは、やはり今年5月、国連の特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏が共謀罪法案を「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と指摘する書簡を安倍首相宛てに送付した件だ。このことについて閣議決定した答弁書では〈特別報告者の見解は、当該個人としての資格で述べられるものであり、国際連合又はその機関である人権理事会としての見解ではない〉と否定した上、〈その内容には誤解に基づくと考えられる点も多く、我が国政府として受け入れ難い内容のもの〉と批判した。

 これは政府見解としてあまりに乱暴で一方的すぎる。事実、アントニオ・グテーレス国連事務総長が安倍首相との会談についてのプレスリリースで〈特別報告者による報告書に関し、特別報告者は人権委員会に直接報告する、独立した専門家であると語った〉(編集部訳)と報告している。この「独立した」は日本国憲法76条が規定している「裁判官の独立」の「独立」と同じ意味で、何者にも干渉されない存在であることを説明するもの。それを「国連とは別の個人の資格」と訳するのは明らかにインチキだが、政府は事実をねじ曲げ、閣議決定までしてしまった。

 そして、最大の問題は、このような横暴極まりない閣議決定が、たとえその内容があからさまな嘘や身勝手な論理・解釈でも、政府見解として「お墨付き」を与えることで、「正しい判断」のように流布していることだろう。ようするに、正当化のための「手段」にされてしまっているのだ。

 政府の統一見解を示す本来の趣旨が、「安倍政権は正しい」と主張し、慎重な議論もすっ飛ばした暴走を是とするための道具に成り下がる。──閣議決定された、とんでもない答弁書の数々は、当たり前の政治がおこなわれていないという現実を表しているのである。

最終更新:2017.11.17 12:33

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