●福岡5区:原田義昭 ☆
原田氏といえば、一昨年、「南京大虐殺」に関する資料のユネスコ世界記憶遺産登録をめぐり、自民党「国際情報検討委員会」委員長としてこう発言。「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が)申請しようとするのは承服できない」。南京事件は第一次安倍政権での日中共同研究でも事実と認められたものであるにもかかわらず、それを180度翻して「存在自体を否定」と言うところがまさに安倍政権の歴史修正主義を象徴している。そして今年、アメリカはユネスコを脱退して孤立化を深め、日本政府も分担金支払いを保留。安倍外交がいかに国益を損なうか、有権者はよく考えなくてはいけない。
●福岡8区 麻生太郎 ☆☆☆
極右思想もさることながら、“暴言のデパート”と呼ぶべきだろう。1983年には「女性に参政権を与えたのは失敗だった」。2007年には国内外の米価を比較して「アルツハイマーの人でもわかる」。2013年には「憲法はある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」。2014年には社会保障費の増加について「子どもを産まないのが問題だ」。そして今年8月には「結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」。さらに9月には「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」。そして、昨日20日も「日本海側にいったらもっと真剣だ。それは難民が流れ着くかもしれないから。武装している難民かもしれない。そのなかに武器を持っているテロリストがいるかもしれない。パリを見ろと。みんな難民から入ってきてテロになった。パリであった銃殺・殺人事件はまさにそういった形と同じだ。それが朝鮮半島から流れ着いてくる(かもしれない)、日本海側に」……。
●熊本1区:木原稔 ☆☆
例の「文化芸術懇談会」代表の木原氏は、やはり言論弾圧の危険な臭いをプンプンさせている。たとえば昨年7月、自民党が“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、HPにそのような学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置していたことが判明。これを実施し、Twitter上で宣伝していたのが自民党文部科学部会長の木原氏だ。さらにその後、木原氏は“密告フォーム”に寄せられた情報は「公選法違反は警察が扱う問題」であるなどとして、一部を警察当局に提供する考えまで示した。自民党はいま、「子どもを戦場に送るな」という当たり前の言葉さえ取り締まろうとしている。お父さん、お母さんたちには、あらためてこうした政治家・政党に票を入れるべきなのか考えてほしい。
●比例中国:杉田水脈 ☆☆☆
まさかこの人を自民が擁立するとは……。9条改憲、愛国教育推進、歴史修正主義、男尊女卑、ヘイト肯定というバリバリの極右レイシストの杉田氏。14年の国会での「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」との暴言はあまりにも有名。他にも待機児童問題を“コミンテルン陰謀論”にすり替えるなどウルトラCも得意。在特会関連団体とも昵懇の関係だが、前回衆院選時の街頭演説では「私はヘイトスピーチは日本には存在しないと思っています」「だからヘイトスピーチの法案については特に必要ない」などとがなりたてた。さらにはある対談で、慰安婦問題を象徴する少女像について「アメリカもそうですが、慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようとは思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい」などと爆破テロまで扇動。クラクラしてくるが、しかも安倍首相が「杉田さんは素晴らしい!」と言って熱心に自民党に誘ったというのだから、本当に世も末である。
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以上30人の極右衆院候補を紹介したウヨミシュラン。いかがだったろうか。あまりのグロテスクさに戦慄を覚えた読者も多いのではないか。しかし、もっと恐ろしいのはここにあげた候補者の多くが国会議員になり、この国の政治を動かす権力を握ってしまうという事実だろう。しかし、繰り返すが、その動きを止めるチャンスはまだある。あきらめずに、民主主義を壊す動きに徹底してNOを突きつけていく必要がある。
(編集部)
最終更新:2017.10.22 01:27