前述『黒い小鳥』で暴露されているのはお金のことだけではない。契約終了後にかけられた「圧力」の存在も示唆されている。
事務所を移籍してから約10カ月が経過。その間、彼女の身に起きたことは、周囲の人々が手の平を返すように離れていくことだった。
エイベックスとの契約終了後、現在もエイベックスに所属しているかつてのタレント仲間や、かつて良くしてくれたクライアントなどがいっせいに連絡を絶とうとしてきたうえ、挙げ句の果てには、仲良しだった先輩の結婚式にすら出席することができなかったという。
なぜこんなことが起きたのか? その疑問は、すぐに明らかになる。『黒い小鳥』にはこのように綴られている。
〈ある日、私は前の事務所の子からこんなことを言われました。
「実はね、事務所の人からことりと連絡をとるな、誘われても会ったりするなって言われているんだ。だから、ホントにごめんね。連絡とってるのがバレたら芸能人として活動するのは無理になっちゃうし」
それを聞いて、本当に悔しかった。本当に悲しかった〉
彼女がどのような原因と過程を経てエイベックスから現在の事務所に移籍したのかは本書では明かされていないので断定はできないが、このようなことが起きたということはエイベックスとの間に何らかのトラブルを抱えているのであろうことは容易に想像がつく。
エイベックスは、昨年発覚した三代目J Soul Brothersによるレコード大賞1億円買収疑惑問題でもクローズアップされたように、「芸能界のドン」こと周防郁雄社長率いるバーニングプロダクションと深い関係にある。
バーニングがトラブルを抱えたタレントに対し徹底した妨害工作に出てきた過去についてはいまさら言うまでもないだろう。松方弘樹、水野美紀、のん(能年玲奈)、鈴木亜美(鈴木あみ)、北野誠、小林幸子など、バーニング関係の事務所とトラブルを起こした結果、メディアを通じて醜聞を流布されたり、業界から干されたり、名前を変えさせられたりした例は枚挙に暇がない。
『黒い小鳥』での記述から、重本に対してもそういった妨害工作はもうすでに始まっているとも見える。芸能界はいつまでこうした体質を放置し続けるのだろうか。
(編集部)
最終更新:2017.10.15 12:06