このように『NEWS23』は、その後も加計問題含め、安倍首相本人にもち上がっている疑惑の数々をぶつけていったのだが、これにネトウヨが大反発。星キャスターのイヤホンから「2人でもりかけ」というディレクターの指示の音声が漏れていたことを、鬼の首をとったかのように騒ぎ立てたのだ。
時間が限られている生放送でダラダラと自分のPRだけやろうとした安倍首相に対し、番組側が少しでも国民が注目する部分に話をもっていこうと努力するのは当たり前のこと。だいたい安倍首相自身が「丁寧に説明する」と言って憚らないのだから、偏向報道でも何でもない“お墨付き”の話題であるはずだ。それをあたかも不正がおこなわれたかのように騒ぎ立てるのはいかにもネトウヨらしい行動といえるが、なんと昨晩、あろうことか安倍首相本人が「イヤホンちょっと大丈夫ですか」と星キャスターに言い、生放送でネトウヨの指摘を“実行”してみせたのだ。しかも、党首討論という国民が注視する場で、である。
恥も外聞も無いこの態度には、ただただ言葉を失うしかない。それは星キャスターも同じことだっただろう。星キャスターは突然飛び出した安倍首相の言葉に苦笑いを浮かべ、だが怯むことなく「加計問題も安倍総理のリーダーシップによっては国民の納得できる情報公開はできるが」と質問した。
しかし、安倍首相はその質問には答えることなく、「いちばん大切なことは私が指示したかどうかですが、私から頼まれたと言う人は誰もいない」と、またも同じ話の繰り返し。都合のいい話を一方的にまくしたてた。
それでも星キャスターは「国民の素朴な感覚からすると、国家戦略特区という新しい枠組みができて、そこで認可されたのが安倍総理のお友だちの学校でした、というのを国民が見て『なんかこれヘンじゃないの?』という意識を国民がもっているということじゃないでしょうか。国民がそういう意識をもつのは、不自然ですかね?」とさらに質問を重ねた。
だが、ここで安倍首相はおかしな行動に出る。「私が言っても」と口にし、意見しようと挙手していた日本のこころの中野代表に発言を譲ったのだ。そして、中野代表は「(国民が不信感をもつことは)ほんとうに不自然ですよ」と断言。国会の議論も「8割がもりかけ」だと憤慨し、「ちゃんと説明してるでしょ、安倍さんが! にもかかわらずそっちのほうにわざと質問を誘導してですね……」と安倍首相を代弁したのだ。