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水原希子の真摯な反差別メッセージにフィフィが卑劣ヘイト攻撃! 山本一郎、ネトウヨも「本名を名乗れ」と大合唱

 そもそも大前提として、なぜ、差別する側でなく、差別されている側のほうに「アドバイス」だろうとなんだろうと「本名を名乗れ」とか「言動をあらためろ」とか態度変更を迫るのか。それは、差別される側にも原因があるなどと差別に正当性があると主張しているのと同じだ。フィフィも山本一郎も「差別はよくない」と言いながら、実際のところその発言は差別構造を再生産するもので、差別に加担しているのだ。

 いや、加担どころか、彼ら自身が差別を煽っていると言ってもいい。フィフィと山本がそろって水原の「名前」を問題にしたのは、もちろんたんなる偶然などではない。名前をあげつらうことで、彼らが典型的な“在日差別”を示唆、誘発しているのは明らかだ。「在日コリアンの名前」を問題にすることは、在特会をはじめとする差別主義者たちが憎悪や差別感情の誘発に利用してきたロジックそのものだからだ。

 数多くのハーフタレントが活躍するなか、なかでも水原がひときわ激しいヘイト攻撃にさらされるのは、たんに水原が「ハーフだから」「日本人じゃないから」というだけではない。ネトウヨたちがことさら攻撃しているのは「水原の母親が在日韓国人」ということだ。

 本名非公開のフィフィとちがって、水原は「オードリー・希子・ダニエル」という本名を公表している。しかし仮に水原がこの本名を名乗っても、おそらく事態は変わらない。ネトウヨらが水原のことを「朝鮮人」「チョン女」「反日キムチ女」などと罵っていることを考えると、ようはコリアン由来の名前を名乗れと言いたいのだろう。本名を名乗ったところで、「希子」はもともと本名だし、ファーストネームもファミリーネームも英語名だから、結局コリアンのルーツを隠しているなどと攻撃されるだけだ。そもそもコリアン名で活動している在日コリアンたちも、ヘイト攻撃の対象になっている。

 在日コリアンに対して、「通名を使うな」「本名を名乗れ」というのは、典型的なレイシャルハラスメントだ。こうした発言の背景には、在日コリアンの「通名」は「在日特権」であるとする在特会をはじめとする差別主義者たちの主張がある。しかし、これらの主張はなんの根拠もないデマである。

 たとえば、差別主義者たちは、在日は「通名制度」によって犯罪歴を隠すことができるとか言っているが、これは真っ赤な嘘で、警察の履歴にも名前が残る。「通名」を名乗ることで、在日コリアンが特別な利益を得ることなど何もない。むしろ「通名」は、日本の植民地政策のなかで、半ば強制されてきたものであり、戦後も就職差別や結婚差別から逃れるために「通名」を使い続けざるをえないという側面があった。

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