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武井咲と TAKAHIROの結婚・妊娠で10億円違約金は憲法違反だ! 芸能界にはびこる人権無視の奴隷契約

『PLUMERIA』(小学館)

今月1日に明らかになった武井咲とEXILEのTAKAHIROの電撃結婚。武井は現在妊娠3カ月でもあるという。多数のCMやドラマに出演し若手では人気、実力ともトップクラスの23歳の武井と、これまた人気グループEXILEの32歳ボーカルのビッグカップルに世間では驚きの声があがった。

 この大物カップルの結婚報道をめぐって、ここに来てクローズアップされているのが、“10億円の違約金”問題だ。

 CM女王ともいわれる武井は現在、イオン、エスエス製薬、エピック・アクション、資生堂、JTB、ジョイフル恵利、NEC、日本弁護士連合会、ハウス食品など多くのCM契約を結んでいるが、突然の結婚と妊娠により企業や製品イメージとの齟齬が生まれ、契約を見直す必要が生じたというのだ。とくに、エスエス製薬のアレルギー鼻炎薬「アレジオン」は、妊娠や授乳中の人は服用を避けるべき薬であり、出演の継続は難しいのではないかいわれている。

 また、実写版映画『るろうに剣心』シリーズの最新作など、これから撮影予定の映画やドラマも複数本あり、これらの進行スケジュールなどにも変更が必要なおそれがある。9月4日付デイリースポーツの報道によれば、これらに伴う違約金は合わせて10億円にのぼる可能性があるという。

 ただ結婚と妊娠をしただけで10億円もの額を請求される。こんなことが許されていいのだろうか。

 あらためて言うまでもないが、妊娠が人間の意志でコントロールできるものではないのはもちろん、恋愛も結婚も妊娠も、本来個人の自由に委ねられるべきものだ。もし仮に恋愛や結婚、妊娠を制限するような契約条項が存在したとしても、憲法でも認められた個人の幸福追求の権利を制限する明らかな人権侵害であり、そのような条項が有効なはずがない。契約を交わしたのだからなどと言う人もいるが、そんなことを言ったらどんなブラック企業の労働契約でも有効ということになってしまう。実際、北海道大学大学院法学研究科教授の町村泰貴氏もこのニュースに関して、〈結婚や出産を禁ずる契約って、典型的な公序良俗違反で無効と習ったけどな。まあ、争わなければ、法の支配が及ばない状態が続くのだけど〉とツイートしている。

 武井に限らずタレントの結婚、妊娠や離婚とCM契約の関係が取り沙汰されることは少なくない。ところがワイドショーなど芸能メディアではこうした契約の非人道性に異をとなえるどころか、当然従うべきペナルティかのように解説するばかり。今回もむしろ武井のほうが企業や所属事務所に迷惑をかけているかのようなニュアンスで扱っているのだから救いがたい。

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