ヘイト団体「そよ風」集会の周りの通路を封鎖する警察。
そして大瀬区議は、結論として「朝鮮人犠牲者追悼碑を撤去すること」が「一番」だと言い、議会で訴えていくと宣言したのである。
「だって、無実の罪を後世の人に押し付けていいんだろうか、と。やはり、ちゃんと歴史を検証できるうちに、しっかり論理構成をたてて(朝鮮人犠牲者追悼碑を)撤去させないといけない。あれを見た人たちがね、たとえば朝鮮から来た観光客かなんかが、あそこを見せて、こういうことやってたんだよと言うわけです。だからこそ公の場に碑があるんだ、と言って宣伝するんですよ。だから、次の議会でも(撤去を)訴えていく。第三回定例会が今月ありますけど、そこでも言っていきます」
ようするに、「そよ風」の集会で挨拶した大瀬区議は、関東大震災の際の「朝鮮人暴動などのデマ」を「流言飛語ではない事実」だと主張して、日本人自警団らによる虐殺を「正当防衛」と評価するという“虐殺否定論”の典型的詐術を開陳し、そればかりか、朝鮮人犠牲者追悼式典を「日本を分断する対日工作」、さらにカウンターについても「雇われた対日工作員」などというネット右翼顔負けの言いがかりをつけたのである(なお、集会の途中で抗議者たちが暴力的に妨害したという事実はなく、「そよ風」は警察に守られながら最後まで集会をやり遂げた)。
まったくクラクラしてくるが、しかし看過してはならないのは、この大瀬氏が、区議として横網町公園の朝鮮人犠牲者追悼碑撤去を議会で訴えていくと鼻息を荒くしていることだろう。「そよ風」がロビー活動に精を出していることは前にも触れたが、こうした政治家と繋がることによって、露骨な歴史修正の運動を政治の場に反映させているということが、これではっきりしたわけである。
そう考えてもやはり、朝鮮人虐殺をめぐる右派の歴史修正運動は、水面下で想像よりもはるかに影響力を持っているということらしい。わたしたちは、決して“虐殺否定論”と慰霊碑撤去運動を「一部のトンデモがやっていること」などと軽視してはならない。本サイトでは、小池都知事の反応も含めて、引き続き、この問題を追及していくつもりである。
(編集部)
最終更新:2017.12.07 05:09