墨田区議が「朝鮮人の暴動は流言飛語じゃない」「朝鮮人虐殺は、正当防衛」とヘイトデマを主張
都立横網町公園の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑。
この日、「そよ風」の集会でスピーチしたのは、地元の墨田区議会議員・大瀬康介氏。本サイトは集会終了後、区議を直撃した。
大瀬区議によれば、主催者から来場の依頼があったわけではなく「たまたま」「自主的に」「飛び入りで」参加したというが、一方で、本日この場所で「そよ風」の集会が行われることは事前に知っていたという。
集会への参加は「そよ風」の趣旨に賛同してのことかと尋ねると、大瀬区議は「というよりも」と言って、朝鮮人虐殺に関して呆れるような認識を語った。たとえば、関東大震災時に流れた「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」などの情報がデマであったことは当時の警察も認めている史実だが、大瀬区議は「朝鮮人暴動は流言飛語ではなく、事実です」と主張する。
「朝鮮人の暴動も、朝鮮人が火をつけてまわったのも事実です。実際、それでつかまってる。あるいは強盗をやったりしたのなんかも事実です。だから、流言飛語とひとくくりにするのはおかしな話」
また、デマを鵜呑みにした自警団による朝鮮人への暴行・殺害については「意図的に殺したとかじゃないわけでしょ。犯人を逮捕しようと思ったら、ピストル発砲したりするじゃないですか」と説明し、それでは自警団の行為は正当防衛という認識かと尋ねると、「基本的にはそういう考え方です」と頷いて、「自警団が朝鮮人を殺したからといって『虐殺』とは言えない」との考えを明らかにした。
念のため繰り返すが、「正当防衛」や「犯人逮捕のため」の前提となる、「朝鮮人の暴動」も「朝鮮人が火をつけてまわった」のも「強盗をやったりした」のも、当時の警察とマスコミが拡散したデマだ。当時の新聞画像をソースに、「朝鮮人暴動は事実」などと主張するネトウヨはたくさんいるが、それらがデマであったことは歴史学の常識だ。実際、当時、警察官僚として新聞を使いデマ拡散に加担した正力松太郎(元・読売新聞社主)も震災時のデマを認め、「警視庁当局として誠に面目なき次第」と反省の意を表している。無実の朝鮮人たちを徒党を組んで襲い、殺害して回るという行為はまさに虐殺としか言いようがない。
ところが大瀬区議は、朝鮮人虐殺の犠牲者を追悼する式典や、その主催者、あるいは「そよ風」の集会に対するカウンターたちについてこう語るのだ。
「それ(朝鮮人虐殺と呼ぶこと)は彼らの論理です。それを言うのはやはり、日本を陥れたい、あるいはアジアがひとつにならないと困る人たちですよ。早い話が、共産党とかが朝鮮半島を南北に分けちゃったわけじゃないですか、あれと同じ理屈で、日本も割ろうとしている。対日分断工作ですよ。今日、(集会開始前に)周りにいた(カウンターの)人たちも、やっぱり、あれは雇われた対日工作員だと思う」